部下の育成に心理学を応用する Part5 ~ラポールの構築~
ラポールとは?
カウンセラーを目指す際、最初に学ぶ項目に「ラポール形成」があります。
ラポールの語源は、フランス語の「rapport」で「橋を架ける」を指す言葉であり、臨床心理学の用語として、互いを信頼し、心が通い合う、心的融和状態を表す言葉として使われてきました。
人は社会的な存在
人は社会的な存在であり、人と人との関わりは生きていく上で必要不可欠です。
ラポール形成は、職場においては、ビジネスシーン、同僚、上司、部下との関係性を良好に保つためには欠かせないものです。
ラポール形成が叶うと
信頼関係が構築され、円滑な関係性が育まれ、互いの安心感が醸成されることで、前向きな対話が可能になります。
信頼している相手の話には、人は真摯に耳を傾けます。対話に説得力が生まれることで、ビジネスシーンにおいてもメリットに繋がっていくでしょう。
ラポール形成に必要な3つの要素として
1. 相手に対する肯定的な態度や感情
2. 相手の存在を認め受け入れる受容的態度
3. 相手への共感的理解
があります。
更にラポールを深めるためには、下記のスキルも活用してみましょう。
・相手のペースに呼吸や発言を合わせるペーシング
・聴いていることを伝えるバックトラッキング(オウム返し)
・相手の顔色・表情・姿勢などの非言語的情報から感情を読み取るキャリブレーション
例え、あなたが内向性の性格の持ち主であったとしても、ラポール形成やコミュニケーションにおいて影響はありません。なぜなら、ラポール形成の要素は、先にお伝えしたように、態度や気持ちを重要な要素としているからです。
相手の姿勢や呼吸に合わせ、話すスピード、トーンを合わせましょう。類似性が高まることで親和性が高まるでしょう。
相手が何を大切に思い、どう感じているか、表現される言語だけではなく、非言語(ノンバーバル)の情報も受け止めラポールを形成していきます。
ラポール形成で大切なことは、自分の価値観で決めつけず、相手の価値観を理解すること。
相手に対して、肯定的な関心を抱き、敬意をもって接しましょう。
「きく」コミュニケーション
ラポールができたらコミュニケーションの基本、「きく」で対話を進めます。
きく方法は、3つのポイント「聞く」「聴く」「訊く」があります。
「聞く」は、相手の言葉を解釈を用いず、能動的に相手の言葉を遮らず、先ずはしっかり聞きましょう。
「聴く」は、傾聴です。この「聴く」には、耳、目、心が含まれています。こころを傾けて、心情を聴きます。ノンバーバルな要素もしっかり見ながら受け止めます。
「訊く」は、口できく。問いかけです。相手に対する理解を深め、また理解していることを要約し、相手の気持ちと一致しているか確認します。
コミュニケーションの語源は、ラテン語の「コミュニス(communis)」です。これは「共有、共通」を意味する言葉です。
対人関係においてコミュニケーションは、双方向のものであり、思いを共有し人と人とをつなぎます。
私たちは言葉を介して自分の考えや思いを伝えますが、同じことを伝える時でも、言葉の使い方、言い方によって様々に表現することができます。
声の調子、高さ、速さ、質、大きさなど多くの側面があり、悲しんでいるのか、不調なのか、興奮しているのか、がっかりしているのかなど伝えることや受け取ることが可能です。
言葉遣いは、心遣い。
話す内容、伝えたい感情に添ったトーンや速度を工夫しましょう。
筆者:産業カウンセラー 公認心理師
- モチベーション・組織活性化
- 安全衛生・メンタルヘルス
- マネジメント
- コミュニケーション
企業経験を経て、2000 年に労働省認定「産業カウンセラー」資格取得。
2002年以降、株式会社セーフティネットのカウンセラーとして勤務。
【セーフティネットでの活動】
マネージャーとして相談部カウンセラーの取りまとめ、教育、指導
メールカウンセリング実施責任者、事例検討責任者、面談カウンセリング
人事相談担当、復職支援担当、ポストベンション担当
藤掛 弘美(フジカケ ヒロミ) 営業本部 シニア・アドバイザー
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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