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【ヨミ】シュタイセイ

主体性

主体性とは?

主体性とは、自らの判断や意思で行動することをいいます。従業員が主体性を持つことは、組織にとっても生産性向上などの成果につながります。主体性を高めるには、組織が求める行動や成果を明確にし、従業員が自ら考え行動できるような環境を整備することが重要です。

掲載日:2024/09/30
主体性

主体性とは

主体性とは、自らの判断や意思で行動をする姿勢をいいます。従業員が主体性を身につけたり、主体性を発揮したりすることは、企業の人材育成における目標の一つです。

主体性と似た言葉に、「自主性」があります。自主性は、やるべきことに対して率先して取り組むことをいいます。能動的に行動するという点では、主体性と自主性は同様です。しかし、自主性はやるべきことが決まっているのに対して、主体性はやるべきことを自分で決める点に違いがあります。

個人が能動的に判断・行動するだけではなく、他者を巻き込んで動くことも「主体性がある」といわれます。組織やケースによって、主体性が示す意味は変化します。

ビジネスで求められる主体性とは?

主体性という言葉は、ビジネスでよく聞かれます。採用や人材育成計画において、従業員に主体性を求めるケースは少なくありません。新入社員や管理職、パートやアルバイトなど、経験年数や役職、雇用形態を問わず、主体性がある従業員は高い評価を受けるでしょう。

しかし、主体性を発揮するとはどういうことなのかはあいまいになりがちです。早稲田大学非常勤講師の武藤浩子氏によれば、ビジネスで求められる主体性は、単に自分で考えるだけではなく、三つの要素に整理できます。

ビジネスで求められる主体性

主体性を発揮するには、まず自分の頭で考えるという内的活動が必要です。そして、自らの考えを、何かしらの形で周囲に発信する必要があります。職場では、先輩や上司に話したり、メールで意見として伝えたり、会議で発言したりする行動が該当します。さらに、職場では考えを発信した結果、周囲の人々と仕事に関して協働することが求められます。社内のタテ・ヨコの人々と仕事で協働することまで含め、主体性として評価されます。

2000年ごろは「行動力」ばかりに重きが置かれていました。これは、会社が決めた目標に対して、迷わずに走れることが優秀な人材要件であったということを意味しています。しかし、現代は変化の激しい時代です。会社や上司が決めた目標だけが、成果を出す正解とは限りません。変化の激しい市場を生き抜くためには、一人ひとりが考えた多様な視点が欠かせません。個人の視点で考え、発信し、協働する流れが重要です。

主体的に仕事をすることで、考えが成果に結びつきます。仕事のなかで面白さを感じ、チーム内や上司、他部署の人々との関係構築を通じて、やりがいを感じられます。従業員一人ひとりが主体性を持つことは、組織の成長という面でも、個人のキャリアアップという面でも重要です。

主体性を高める方法

「従業員にもっと主体性を持ってほしい」「部下が自分で考えて行動できるようになってほしい」といった悩みを、多くの職場が抱えています。どうすれば、従業員が「主体性を高める」ことができるのでしょうか。

主体性の定義と必要性を明確にする

自社にとって必要な主体性とはどういうものか、定義と必要性を言語化します。「もっと主体性を持ってほしい」「主体性を発揮してほしい」というだけでは、具体的にどう行動すればいいのか、どのように改善すればいいのかが伝わりません。従業員に対して主体性の定義と必要性を明確に示し、理解してもらう必要があります。

主体性の定義や必要性を伝える手段の一つとして、ミッション・ビジョン・バリューの設定があります。組織の存在意義や、行動指針を言語化することで、従業員に期待されている行動を伝えられます。新入社員や管理職など、組織に属するすべての人々が理解できるように浸透させることがポイントです。

主体的に行動するためのモチベーションを高める

主体性を促すために、もう一つポイントとなるのが内発的動機づけです。内発的動機づけとは、報酬や評価などの外部要因を受けず、自分の内側から湧き上がる興味や関心によって動機付けられている状態を指します。自らの判断と意思で行動を起こし、「良い結果が得られるだろう」と期待を持てれば、モチベーションが向上します。

仕事においては、環境整備が重要です。上司や先輩がやり方について細かく指示していると、本人は自ら考える機会を奪われてしまいます。従業員が仕事の過程で考える環境を与えることで、「こうしたら良くなるのでは」と仮説をたて、結果につなげられます。

注意したいのは、予測した通りの結果が得られず、「うまくいかないのでは」という気持ちにとらわれると、モチベーションが下がってしまう点です。チャレンジングな目標設定の場合、上司や先輩がアドバイスしたり、軌道修正を促したりすることも必要です。

内発的動機をつぶさない

従業員のモチベーションを高めるため、報酬や昇進、昇格、表彰など、さまざまな施策を取り入れている企業もあります。

このとき注意したいのは、外発的動機付けを高める施策とのバランスです。はじめは好奇心や関心から行動していた人も、外部のインセンティブが発生するようになると、インセンティブ目当てで行動するようになり、しだいに内発的動機を見失ってしまいます。バランスは一人ひとり異なります。従業員が内発的動機を見失うことのないよう、それぞれの状況や興味を把握しておくことが求められます。

裁量を拡大する

主体性のある従業員を育てるためには、裁量を拡大することも大切です。任せる業務や裁量は、従業員一人ひとりに見合ったものであることがポイントです。新入社員に業務を丸投げしては、成果につながりません。業務の一部を任せたり、やり方を考える部分だけ任せたりと、本人のスキルや経験に合った環境を整えます。

従業員の行動が組織にとって不利益をもたらすものであれば、管理職や経営者が止める必要があります。しかし、従来の価値観にとらわれていては、新しい価値観や行動をつぶしてしまいかねません。新たな価値観を「良い・悪い」と短期的に判断することなく、長期的な視点で見極める必要があります。従業員は成功体験が評価されることで、考えと行動、結果が結びつき、主体性を発揮しやすくなります。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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この記事ジャンル 新入社員育成

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