ストレッチゾーン?パニックゾーン?
成長するためには目標を設定することが大切であることはよく知られています。同時に、どの水準に目標を設定するかも同じく大切です。
3つの目標設定水準
ではどの程度の設定水準が良いのでしょうか。設定水準については3つのゾーン「コンフォートゾーン」「ストレッチゾーン」「パニックゾーン」があります。
まず、「コンフォートゾーン」は、苦労や努力なしに簡単に達成できる水準のことです。苦労なく快適で居心地のよい状態で達成できる目標となります。そのため、成長は見込めません。
そして、「ストレッチゾーン」は、今の状態では背伸びしてやっと届くか届かないかの水準、つまり簡単には達成できない水準のことです。背伸びして挑戦することになるので目標に対して不安やストレスを感じるため、快適で居心地がいいというわけには行きません。しかしながら、背伸びすることで、これまでできなかったことができるようになる、つまり成長につながります。
しかしながら、目標は高ければ高いほどいいというわけではありません。不安やストレスを過度に感じるほどの水準は「パニックゾーン」と呼ばれます。パニックになってしまうほどに高い水準では、目標に向かった挑戦ができなくなってしまうので、成長は望めなくなります。
つまり、ストレッチゾーンにある高い目標を設定することが、成長に繋がります。
ストレッチゾーンか?パニックゾーンか?
部下に対してストレッチゾーンと思って与えた目標が高すぎるとパニックゾーンのような反応をされる、もしくはその反対の経験をした方も多いのではないでしょうか。
ましてや新規事業の場合、過去の積み上げがないため、どこまでがストレッチゾーンかパニックゾーンか分からないでしょう。
では、どのようにストレッチゾーンかパニックゾーンか見分ければよいのでしょうか?
この問いをセミナーや研修で聞くと多くの場合、設定された人がどう感じるか?だと帰ってきます。
しかしながら結論から言えば、設定された人は設定時にはよく分からないと考えた方が良いでしょう。
例えば泳ぐこと、水に顔をつけることがとても苦手な男の子がいるとしましょう。彼にとってはプールに入ることすらパニックゾーンでしょう。しかしながら、プールに入らなければ彼は泳げるようにならないです。そして、無理をさせてでもプールに入らせて教えることで、いつしか泳げるようになるのです。
つまり、彼にとってはプールに入ることは実はストレッチゾーンだったといえるでしょう、
しかしながら、彼を誰も見ていない状態でプールに入れるとどうなるでしょう?溺れても助けない状態であれば、とても危険な状態、パニックゾーンでしょう。
つまり、何かあったらすぐに助けてあげられるように近くで見守っていれば彼本人は気づかないかもしれませんがストレッチゾーンになります。そして、もしこれ以上いると危ない判断すればプールから出すことが大切です。
これは仕事においても同様です。高頻度で見守り、支援できる体制を整えておくことが大切です。
そして本当に危険だと判断すれば、そのときこそパニックゾーンです。目標水準を下げる、サポートや指導するなどの支援をしましょう。
実行する前からパニックゾーンだと決めつけずに、まずは高い目標を掲げて挑戦することこそが大切です。
もう一つのパニックゾーン
まっすぐ歩く。普段の状態であれば、コンフォートゾーンでしょう。
しかしながら、超高層ビルの屋上の端をまっすぐ歩こうとしても足がすくんで動かないでしょう。
なぜなら、失敗すると生命の危機に直結するからです。
つまり、失敗したときの代償や罰が重いと、たとえ簡単に見えることでもパニックゾーンになってしまいます。
仕事において失敗はつきものです。失敗をして学び成長することもあります。
しかしながら、失敗した場合の罰や責任追及が厳しすぎると、途端にパニックゾーンになり、誰も挑戦しなくなってしまいます。
上司が罰を与えるのではなく支援することで、高い目標をストレッチゾーンと考え、挑戦できる組織を作っていきましょう。
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【目的に向かって組織の力をタバネル】
組織マネジメント、OKR導入コンサルタント
著書「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」
ファッション・化粧品メーカー、コンサルティング企業などで勤務。取締役として最大 170 人の組織マネジメントに携わる。 自らのマネジメントと他組織のコンサルティグを経て、組織の力を束ねる目標管理「OKR」導入コンサルティングを行っています。
奥田和広(オクダカズヒロ) 株式会社タバネル 代表取締役
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