「優先順位」と「取捨選択」の違い
~「未来の自分に託す」という判断 ~
先日、ある後輩のキャリア相談にのっていたときのことです。
「優先順位をつける」ことと「取捨選択する」ことは、
まったく違うことなのに、言葉の印象として、混同されやすいようだ
・・・ということに、気が付きました。
その後輩はとてもビジョナリーな発想の持ち主で、
これからやってみたいこと、取り組みたいことのイメージが
どんどんあふれてきていました。
ビジョンが溢れすぎて、雑多になっている部分もあり、
当然、短期的には実現できない夢もたくさんありました。
そのことで、「自分の能力も、人脈も、時間も足りない」
「全部やりたいのに、自分の力が限られていて・・・」と悩んでいるようでした。
相談の中で、私はこう言いました。
「中長期でやりたいことと、今できることは分けて考えないと。
優先順位をつけて、ひとつずつだよね」
そうすると、後輩はとてもつらそうな顔でこう言ったのです。
「そうですよね。できることを見極めて、
切り捨てていかないといけないんですよね。。。」
いえいえいえいえ、違いますよ!
「別にやるべきじゃないとか、無理だなんて言ってないよ。
切り捨てなくていいし、諦めなくてもいいじゃない。
それは”40代の自分の計画””50代の自分の計画”に入れればいいんだよ。
それに、いま能力も人脈も足りないって悩んでることだって、
あなたが40代や50代になるころには、解決してるかもしれないでしょう?」
後輩は、この言葉で、ずいぶんと気持ちが楽になったようです。
私自身、「優先順位づけ」という言葉はよく使うのですが
これが"取捨選択”と混同されているとしたら、とても残念なことだと思います。
優先順位を下げるということは、
「それはやる価値が低い」ということではないし
「諦めるべきだ」ということでもないし、
「実現不可能なことだ」ということでもありません。
人の持っている時間や能力は有限だとう現実のなかで、、
「今すぐにやれること/やらなくてはいけないことでは、ない」
もしくは
「未来の自分に託した方が、より良い形で実現できる」
という判断をすることではないでしょうか。
これは、単に先送りにすることとは違います。
最低限必要な「種まき」をしながら、夢を熟成させるのです。
この視点は、ライフ・ポートフォリオのひとつのポイントでもあります。
ワークライフバランスも、一生の時間軸でダイナミックにバランスさせていく。
やりたいことは、時間差をつけて実現させていく。
さらにそのことで、夢やチャレンジのサイズも、より大きく広げることができます。
ライフプランやキャリアプランは、「4次元」で考えると
とても楽になるのです。
そんな視点が、当たり前にしていきたいと思ったエピソードでした。
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
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働き手が仕事を通じて自らの人生を豊かにすることで、企業の発展・成長へとつなげるサポートを行います
2009年ライフ・ポートフォリオ設立。女性活躍推進・ダイバーシティについて大手企業を中心に支援を行っている。「企業と人材」「人材育成」「労政時報」等、人事専門誌に多数寄稿するなど、女性活躍・キャリア開発についての専門家である。
前原 はづき(マエハラ ハヅキ) 株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役 社長
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