社内e-learningの理解度を効果的に測る視点
いま、多くの企業でe-learning や動画教材の内製化が進んでいますが、オンデマンド教育の重要な要素である「理解度把握」や「研修転移」に課題を抱える組織が増えています。そのオンデマンド教育の理解度把握手法の1つがテストになりますが、このテスト設計が実はかなり属人的に作られているように感じています。
例えば、そもそも動画を視聴しなくても解答が容易にできてしまったり、業務活用には繋がらない部分の知識を訊いていたり、知識とスキルの理解を混同してテストを作っていたり、更には記述問題で「何か書けば正解」になってしまう基準であったりと、テストづくりにおいてもったいないと感じるケースは多くあります。
この場合、人材開発担当者がテストの作成理論やスキルを習得することにも効果がありますが、一方で、学習者同士でテストを作って他者と共有し、その設問の視点や難度や学習効果などを検証しあいながら、互いの理解度を確認するのもテストフォーミュレーションの手法として効果的です。
実際にある企業の内定者研修では会社紹介の動画をもとに内定者に設問を作ってもらい共有させたところ、その後のアンケートで「会社への理解が深まった」という感想だけでなく、「知識の定着にも役立った」という学習効果に寄与する反応もありました。
テストづくりを意味するテストフォーミュレーションの企業での活用事例は、今後増えてくると思われますが、究極の部分では、「テストをつくるだけで学習内容が自ら理解できてしまう」、更には「時間を忘れて理解したくなってしまう」という域までもっていくことができれば、相当の学習効果が期待できます。
このことは、ラーニングピラミッドでいうところの学びを「他者に教える」ことで学習定着率が上がるという仕組みと似ています。テストフォーミュレーションでは、この学びを他者に教えるだけでなく、設問(問い)に変換することで、自他ともに思考を促進する働きかけができるのが特徴です。学校教育では、この問いを活用した探求学習が盛んにおこなわれていますが、企業教育においてもこのテストフォーミュレーションの事例を蓄積していくことで、新たな「企業版アクティブのラーニング」の形が作られていくものと思われます。
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細谷幸裕(ホソヤユキヒロ) 株式会社 市進コンサルティング 代表取締役
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