ファシリテーションその2
会議でよく起きるのが「脱線」です。私たちは通常会議において、話が主題からそれていくことを、脱線として認識します。消費トレンドの話をしているうちに、いつの間にか最近の流行語で盛り上がってしまうような場合です。明らかに主題から離れていれば、話を戻すことも比較的容易ですが、話題と主題の境界が曖昧な場合に、どのタイミングでどのように修正すればよいのかわからなくなることがあります。
さて、前回会議のゴールについて説明をしました。会議の参加者が、主題についていろいろな意見を述べていくうちに脱線することになるのですが、もし参加者に一致した会議のゴールが形成されていると、それが一本の線となって脱線を防ぐことができます。
例えば、ある会議でAさんは「結論を出すことが重要」だと思っていて、Bさんが「意見をたくさん集めることが重要だ」と思っている状況では、Aさんは早く議論を進めて結論を決めたがるでしょうし、Bさんは議論を膨らませることに注力するようになります。この時のBさんの態度はAさんから見て脱線を誘発しているかのように見えるかもしれません。逆にBさんから見てAさんは、会議を強引に誘導しようとして見えるかもしれません。
このように、どちらも会議を良いものにしようとしているにもかかわらず、共通のゴールがないことによって、お互いの理解が妨げられていることがあります。
今日の会議は「意見がたくさん出たら終える」あるいは「結論がひとつに絞られたら終わる」というゴールがあれば、参加者はそこに向かって話を進めようと考えることができるようになります。会議の脱線に手を焼いている方は、ぜひ一度試してみてください。
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中西 真人(ナカニシ マサト) 株式会社M&RConsulting
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