等級制度の考え方(2)
前回の等級制度の考え方(1)では、「等級の意味合い」と「等級の設計方法」をご説明しました。
今回は、「役割が大きく変化する昇格」についてご説明します。
3.役割が大きく変化する昇格
役員に昇格するまでの各等級の役割を考えた場合、組織運営やマネジメントという視点で考えてみると、
① 係長クラスへの昇格時
② 課長クラスへの昇格時
③ 執行役員への昇格時
にそれぞれ未経験の新しい役割を果たさなければなりません。
具体的には、次のようになります。
①係長クラスへの昇格時
<昇格後の役割の大きな違い①>
・「自分がする」→「部下にさせる」
【ポイント】
・業務指示・管理方法を修得する
・部下の個性を把握して適切なコミュニケーションを図る
<昇格後の役割の大きな違い②>
・目標達成のための新たなプロセスを構築する(戦術構築)
【ポイント】
・専門知識を活用して仮説で業務プロセスを設計する
・問題点から課題を設定し、解決のための方針を決定する
②課長クラスへの昇格時
<昇格後の役割の大きな違い>
・戦略を策定する
・部下を育成する
【ポイント】
・上位戦略を展開して自部門のあるべき姿を描けるようにする
・部下を育成し、活動管理できるようにする
③執行役員への昇格時
<昇格後の役割の大きな違い>
・自部門だけでなく、会社の全社戦略を策定する
【ポイント】
・自社の経営資源の全体像を理解する
・全社のビジネスモデルを把握し、課題を設定する
このように、等級別に期待される役割が異なるため、昇格後に経験したことのない内容を実践しなければならない、ということが起こり得ます。
従って会社としては、昇格者が未経験故の混乱状態に陥らないように、昇格前に類似の経験をさせる等、用意周到に準備をしなければなりません。
その仕組みを育成体系として整理しておき、昇格者を昇格の前段階からサポートできるようにするのです。
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小川 貴司(オガワタカシ) ストリーム経営コンサルティング株式会社 代表取締役社長
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