佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」③
3.世界中からのハッピー・バースディ
先日、シンガポールのアジアヒューマンキャピタル・サミットに参加したときのこと。シンガポールだけでなく、世界中から集まった500人を越える出席者が、一斉にハッピー・バースディを歌うという機会があった。
誕生日が一番近かった参加者の一人(恐らく20代後半の女性)が、選ばれる。
1回目の合唱の後、ボストンフィルハーモニー管弦楽団の指揮者、ベンジャミン・ザンダー氏から、「どこが一番、大事だと思う?そう、最終節の“to you”だよ、to yoUでなく、tO You。そこに、もっと心をのせて」というコンダクト。
2回目。「もっとできる。もっと体を使って、手を広げて。そう、最後の”tO You”で手を広げるんだ、一歩足を踏み出して」。
そして、3回目。500人全員が大きく手を広げ、彼女に向かって一歩踏みだし、”tO You”と歌い終わった瞬間。それまで、はにかみ笑いをしていた彼女の顔が突然くずれ、ボロボロと大粒の涙をこぼして泣き始めたのでした。
まさにスピーチレス・・・
でも、何だろう?ザンダー氏が伝えたかったことは?
音楽や演劇が持つ文化(リベラル・アーツ)の力?人間が持つ無限の可能性?人同士がつながった時の感動?・・・それとも、人は誰もが人間であるという、当たり前の真実?
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グローバル化が人類に突きつける試練の一つに、国や民族、人種や宗教といった違いをどう越えるかというテーマがある。
あくまで異国の人は異国の人というスタンスで対応する「異文化アプローチ」でいくのか。それとも、「人間は基本的に同じ」というスタンスでいくのか。
ただ一つ言える事は、21世紀は、20世紀とは大きく違う、ということ。
交通手段が発達しただけでない。インターネットやスマホ、テレビという通信機器が飛躍的に進化していること(し続けていること)。その中で、語学の翻訳機能もアップ。自国にいながら世界中の「情報」を日々得ることも、世界中の人々と「コミュニケーション」することもできるようになってきた。
そのツールに乗って、それぞれの価値観や思想哲学、芸術という「文化」まで世界中を飛び交い、地球の裏側の人々とも共有できるようになった。
そして、バーチャルの世界での交流は、もっとリアルな、もっとヒューマンな、人間同士のインタラクションにつながる。そのインタラクションは、人が持つ本能的なコミュニケーション能力を、飛躍的に、もしかしたら原始時代のレベル以上に、高めていく。
その帰結として、人は気づいていく。
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私たちは、時に、願わない困難に遭遇することがあるかもしれない。けれど、21世紀、このグローバルな世界に生まれた幸運を、思いっきり、感謝して生きたい。
21世紀を生きるすべての人に・・・
Happy birth day “to you” —
- モチベーション・組織活性化
- グローバル
- リーダーシップ
- マネジメント
- チームビルディング
海外最前線でのコンサルティングを数多く手掛けてきたのち、2013年3月にジェイフィールに参加。これまでのキャリアの半分以上が海外。
グローバル環境下でのチェンジマネジメントや組織再編、現地幹部マネジメントや人材育成などを手掛けてきた。現在は、「日本と世界の若者を元気に」の実現のため、新たな経営の"形"と時代の"生き方"をともに考え、変えていける人・場づくりをリード。
佐藤 将(サトウ ショウ) コンサルタント
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