SDGsと自社の取り組みを紐づけるポイント
SDGsと自社の取り組みを紐づけるポイント
今多くの企業が、現状の事業活動とSDGsの17の目標との「紐づけ」を行い、その貢献度の情報開示まで進めています。「紐づけ」はSDGsに取り組む上で重要なステップのため、充分に検証する必要があります。
なぜ自社の取り組みを紐づける必要があるのか
SDGsの方向性との一致を確認できる
SDGsと聞くと、自社と関係ないのではと疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。しかしそんなことはありません。企業とは元来、世の中の困りごとを解決するために存在しているものです。今一度、経営理念に立ち返り、そこにどのような想いが込められているか考えてみてください。必ずSDGsと結びつくものがあるはずです。SDGsへの取り組みを検討する上で、自社の活動と切り離して考えるのではなく、そもそも自社が目指している方向と一致しているのだという実感を得るためにも、SDGsと自社の取り組みを紐づけて考えることは重要なのです。ではどのように紐づけていけば良いか、考える上で役立つフレームをご紹介します。
紐づけで役立つフレーム「SDGsマッピング」
まずは自社の取り組み内容を全て洗い出してみる
SDGsマッピングとは、自社の現状の活動内容を全て棚卸し、それらがSDGsの17のゴール、169のターゲットに対し、どう関係しているのか整理を行うことです。このフレームを活用することで、紐づけが考えやすくなります。SDGsマッピングの最初のステップは、自社の活動内容の洗い出しです。例えばサプライチェーンやバリューチェーンに沿って考えてみることで、より広い視点で事業活動における洗い出しができますが、その他活動(社内制度や社会貢献活動など)についても漏れが無いように気を付けましょう。取り組みの大小問わず洗い出し、出てきた内容は、ホワイトボードや模造紙に付箋で貼り出してみましょう。
洗い出した取り組み内容と関係するSDGsの目標を紐づける
充分に活動内容の棚卸について検討ができたら、SDGsとの紐づけを行います。17のゴールの枠を設け、書き出した内容がどれに関係しているか振り分けます。ここでのポイントは、17のそれぞれの壮大なゴールに直接紐づいているかどうかで考えないことです。169のターゲットまで視点を広げると、よりイメージがつきます。環境省の『SDGs活用ガイド』には「SDGsとの紐付け早見表」というものもありますので、参考にしてみると良いかもしれません。この紐づけを通して、気づかなかったSDGsへの貢献が見えてきます。
実は軽視されがち?共通の理解を持つことの重要性
共通理解なくして、正しい紐づけなし
SDGsへ取り組むにあたり、社員一人ひとりが共通の理解を持つことが何よりも重要です。SDGsマッピングが中々うまくいかない企業の多くはここに原因があるのではないでしょうか。SDGsとは壮大なテーマであり、地域や文化、国民性によって定義も異なります。「自社が定義するSDGs」について共通理解がなければ、マッピング等の議論も解釈のすれ違いが生じてしまいます。タナベ経営でご支援を行う際も、必ず講義から始め、"的を外さない" SDGsの実装をお約束しております。興味ある方は事例と共に情報交換をさせていただければ幸いです。
※本コラムは山村が、タナベ経営の経営者・経営企画部門のためのSDGs専門サイトにて連載している記事を転載したものです。
【コンサルタント紹介】
株式会社タナベ経営 ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部
ストラテジー&ドメイン東京本部 コンサルタント
山村 拡輝
国内大手SIerの営業職としてSAP ERP導入支援、大手通信教育会社にて学校のコンサルティング業務を経て、タナベ経営入社。業界・規模問わず、中長期ビジョン策定、SDGs実装、IT化構想など多方面で活躍中。また、前職でのシステムインテグレーションの経験から、営業DX支援も得意とする。
主な実績
・環境装置業界の中長期ビジョン策定×SDGs実装支援
・東証一部上場商社のSDGs実装支援
・精密機器メーカーの営業DX化支援
・建設業のIT化構想支援
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- ロジカルシンキング・課題解決
- リスクマネジメント・情報管理
- 法務・品質管理・ISO
大企業・中堅企業のためのSDGs導入・活用方法を提案します
持続可能な経営を行うために、“社会性”と“経済性”を両立させたSDGs経営の導入を支援します。SDGs経営を実現するには、自社の本業にSDGsを掛け合わせた戦略構築と、重点取り組みテーマ・KPIを明確に設定し実行する実装計画の策定が必要です
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