貸主からの値上げ要請 交渉はできるのか
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こんにちは、プレニーズの秋口です。
契約が更新を迎えるこの時期、オーナー側から要望される可能性があるのが新賃料の値上げです。近年では物価高や人件費の上昇、円安の影響などを背景に、オーナーが賃料の引き上げを検討することが増えています。
しかし入居者側にとっては今後の費用負担が増えるので、できれば値上げは避けたいものですよね。ではどのように対処すればよいでしょうか?
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賃料値上げ要請がきた時の対処
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賃料値上げ要請が来た際「+5000円ですね、いいですよ!」と快く引き受けられる方は少ないかと思います。
そのためまずは「今までと同じ額じゃないと厳しいです」と据え置き交渉を試みるのが良いでしょう。オーナーも入居者がいなくなって家賃収入が入らなくなる心配を抱えているため、話を聞いてくれる余地は十分あります。
ただし据え置き交渉(値上げ無し)は難しいケースが多いので「+3千円ではどうでしょうか」と値上げ額の変更を打診するのが有効です。承諾されれば、貸主は少しでも賃料の値上げができ、逆に借主は少しでも値上げを抑えることができるので、お互い良い着地点を見つけて契約更新できます。
■ただし、無理は禁物です
交渉がうまくいかない場合は諦めざるを得ない場合もあります。契約上の力関係では貸主の方が強いため、強引に無理矢理な交渉を続けると「そこまで嫌なら契約更新しなくていいです」と拒否されるリスクが懸念されるためです。
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値上げ回避の着地点を探しましょう
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賃料の値上げ幅はとくに法令の制限は無く、双方が合意をしてはじめて、新しい賃料で契約更新されるのが一般的です。そのため極端な話ですが、仮に+20万円(!)で値上げ要請がきても、借主が合意すればなんら問題無く更新できます。
逆に拒否することももちろん可能です。賃貸契約は双方の合意が基本ですので、借主が拒否すれば値上げは成立しません。万が一合意していないのにも関わらず新賃料が値上りしていた場合は、速やかにオーナーや管理会社に指摘しましょう。
値上げに合意できない場合は、以下のように交渉の上で着地点を探す必要があります。
(1)合意更新
お互いが新しい契約内容に納得して更新するのが合意更新です。
仮に旧賃料10万円、貸主の希望が+5千円アップの打診がきて、借主が承諾すれば新賃料は「10万5千円」になります。ここでもし据え置き交渉や値上げ幅変更の交渉を挟んだとしても、最終的に貸主・借主双方がお互い納得しているならこれも合意更新です。
(2)法定更新
一方で着地点が見つからないまま契約更新日を迎えてしまうと、これまでと同じ契約内容で自動更新されます。借主側は旧賃料を毎月振り込むことで「値上げには応じられないが、家賃を払う意思があること」を示せば法的に守られます。
しかし貸主は据え置きを拒否しているため、承諾契約書が発行されない状態が続くなどリスクが伴います。とくに貸主との間に揉め事があると企業イメージも悪くなる恐れがあるため、借り上げ社宅の場合お勧めできません。
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そもそもなぜ値上げが起こるのか
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賃料の値上げが起こる背景には、いくつかの要因があります。
まず昨今の物価高に伴いオーナー側が負担する管理費や人件費も上がっており、その負担分を賃料に転嫁していることが要因のひとつです。加えて、円安の影響や日本の不動産市場に対する海外投資家の注目により不動産価格が上昇し、特に首都圏などの人気エリアでは周辺一帯の価値が高まっています。
また、大企業を中心に賃上げムードが起こっている影響で、「給料が上がっているなら家賃を上げても問題ないだろう」と思われることも少なくありません。
これらの要因により周辺の賃料相場も上昇し、結果として家賃の値上げ要請が増えるのです。
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交渉する時、忘れてはいけないこと
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借り上げ社宅の場合、大前提として法人契約であることを念頭に置いて交渉を進める必要があります。
あまりに過熱すると交渉内容がどうであれ企業様に対する印象が悪くなり、酷い時には企業単位で今後の契約を不可にされたり、ネットやオーナー界隈で誹謗中傷が広まる恐れがあります。企業の評判を守るためにも、冷静かつ適切な対応が求められます。
代行会社が交渉に入っている場合でも、顧客である企業のイメージを損なうことのないよう注意が必要です。貸主には「嫌なら解約してください」という強力なカードがあるため、慎重に対応してもらうよう代行会社に念を押しましょう。
■オーナー側の事情にも配慮
オーナーが値上げを求める理由は「情勢に応じて、妥当な家賃設定で安定した収入を確保したい」という気持ちからです。理由なく「とれるだけとってやろう!」と考えて値上げしている人はまずいません。
しかし一方で、借主は値上げを回避したいと考えます。この対立を解消するために、お互いの事情や立場を理解しつつ交渉することが重要です。
<まとめ>冷静な対処を心がけましょう
賃料値上げ要請が来た際には、まず冷静に状況を把握した上で、据え置き交渉を試みましょう。賃貸借契約は双方の合意が基本であり、建設的な話し合いが求められます。特に借り上げ社宅では企業の対外的な評判も考慮する必要があるため、慎重に対応することが重要です。
円滑な合意更新を目指し、お互いの立場を理解した交渉が最善の解決策となります。対応が難しい場合は代行会社の力を借りることも一案です。
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秋口 朱里(アキグチ シュリ) 株式会社プレニーズ 法人営業課 社宅コンサルタント
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