行動力を強化するには
別のコラムで思考力の強化について書いたので、本コラムは行動力の強化について書きます。
※別のコラムでは人材育成の体系は、「思考力」と「行動力」で定義していくことが有効、と書いております。
行動力についてよく起きている問題は次のとおりです。
1)新人~若手は、何をどこまでやるべきか分からず一歩が踏み出せない
2)中堅~主任は、やるべき仕事は分かっているが自ら動くと損するので動かない
3)管理職は、「有効な対策が考えられない」、「優先順位がつけられない」ので空回りしている
上記の「行動力の問題」について、共通する原因は「この程度でいいだろう」という低い役割認識があります。
よって、研修としては役割認識を高める、自己の行動を振り返りあらためる、といった手法が有効です。
役割認識の研修とは、例えば「当社の主任であればこういうとき、こういう言動が求められるはず」、「主任に昇格するにあたり、これまでの自分の言動には問題がないだろうか?」、「自分は今後、仕事においてどう行動すべきか?」といった流れにより理論と振り返りで学んでいく内容です。
また、360度評価を活用し「周囲の期待と自己認識のギャップをみる」という手法も、よく実施されています。
周囲からの具体的な評価をみて、自身の考えをあらためていく手法です。
ここで強調したいのは、新人~若手~中堅~主任くらいまでの階層は、動けないのではなく動かない、ということです。
一方で管理職の場合、行動に対する意識と実績が高い者が選ばれている、というケースも多いので、動かないのではなく動けない、という状態にあることが多いです。
その原因は情報の整理能力が足りない、思考力が自己流になっている、ということになります。
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もちろん、管理職も動かない、という面もあります。
この「みんな動かない」ことの背景として、組織の側でいえば「動くと損する・動いても得しない」という風土や評価のシステムが原因としてあげられます。
この風土や評価システムを放置したまま研修だけで社員の行動力を高めようとしても、一過性の処置に終わってしまいます。
行動からしか成果は生まれない以上、行動力の強化は組織として最重要テーマといってもよいですが、研修以外の仕組みの整備も重要になるということです。
ここで教育訓練として、体系的に行動力を評価、育成していくときの基準を以下に記します。
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・新人の場合
①組織の一員として成果を出す必要性を理解できている。
②自分の仕事を完遂する、言われる前から準備する、といった仕事の基本を理解できている。
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・若手~中堅~主任の場合
①課方針を実現するため、課の立場を理解したうえで他部署や外部と調整ができる。
②相手に配慮したコミュニケーションができる
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・管理職の場合
①会社の経営方針、部方針を実現するため、課の代表として困難な挑戦と調整ができる。
②上位者、他部門、自部署メンバー、社外の4者を動かすコミュニケーションができる。
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組織における仕事では行動の多くがコミュニケーションを伴います。よって、どのようなコミュニケーションをどの程度とるのか、ということが行動力強化の目的の一つになってきます。
上記の行動力の基準を満たすために、役割認識の研修や360度評価の活用、評価システムの見直し、といった施策があることをご紹介いたしました。これらは社員にとって外発的な動機の形成です。
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外発があれば内発がある、ということで行動力を高めるために内発動機の高め方については以下のとおりです。
1)自身の価値観の特徴を知り行動を妨げている部分を理解する
2)自身の行動力を高めることが組織の発展につながることを理解する
イメージとしては自分を知る、組織への貢献を知る、ということでモチベーションを高めていく流れです。
上記の1)は自分の価値観に向き合うような手法であり、各種の自己診断を活用していきます。
弊社では、米国Gallup社のストレングスファインダーを活用しております。
上記の2)は組織が大きくなると難しくなります。理由は大きな組織では個人の貢献が明確化しづらいからです。
よって、間接的に自社、組織がどのように世の中の役に立っているのか、お客様の声なども活用して理解を深める、という手法をとることが多いです。
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お伝えしたいことは社員の行動力強化において、「人事・人材育成の部門がやるべきこと、できることは多い」ということです。
もし気になることがございましたら、小さなことからお気軽にお申し付けください。
以上が貴社、貴組織における行動力の強化において、何かのご参考になりますと幸甚です。
マキシマイザー株式会社
代表取締役 富沢裕司
- 経営戦略・経営管理
- 人事考課・目標管理
- リーダーシップ
- マネジメント
- ロジカルシンキング・課題解決
ロジカル研修の専門家です。診断、アセスメントなどの経験も豊富です。
プレセナ・ストラテジック・パートナーズで10年間の勤務経験があります。
考え方、ロジカル、課題解決、戦略といった分野で企業研修の講師として10年以上の経験があります。日本を代表する製造業、商社、金融機関、ITやサービス、小売などの企業における研修のご提供実績がございます。
富沢裕司(トミザワユウジ) マキシマイザー株式会社 代表取締役
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