労働時間と従業員の健康
こんにちは。株式会社グッピーズで医療・介護・福祉に特化した人材サービス(中途採用、新卒採用等)と、健康管理アプリを活用したヘルスケアサービスの事業本部長を努めている木村と申します。
毎月、弊社が手掛けている人材と健康という両事業から見えてきた課題とその対策についてお伝えできればと思います。
今回は「労働時間と従業員の健康」というテーマについて考えていきたいと思います。
・日本の労働時間数の推移
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると日本の労働者1人当たりの年間総実労働時間は緩やかに減少しています。2019年は1,669時間でこれは10年前の2009年と比較して64時間、1年前の2018年と比較して37時間減少しています。ただし、一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、一般労働者の総実労働時間は2019年は1,978 時間となり、2009年以来、10 年ぶりに 2,000 時間を下回りましたが、ほぼ横ばいとなっています。
一方でパートタイム労働者の総実労働時間は 997 時間と、1,000 時間を下回りました。パートタイム労働者の割合は、近年、増加傾向にあることから、近年の労働者1人当たりの年間総実労働時間の減少は、パートタイム労働者の割合の増加も要因の一つと考えられます。
・労働時間と健康について
長時間労働は、労働の負荷を大きくするだけでなく、睡眠・ 休養時間、家庭生活・余暇時間の不足を引き起こして、疲労を蓄積させます。長時間労働と関連する健康問題は、
1)脳・心臓疾患 (過労死)
2)精神障害・自殺
3)その他の過労性 の健康障害
4)事故・ケガ
があります。
脳・心臓疾患(過労死)と精神障害・自殺は、深刻な健康問題として大きな社会問題になっています。過労性の健康障害としては、そのほかにも様々なもの(例えば、胃十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、腰痛、月経障害など)が起こ ります。事故・ケガも長時間労働が一因になっている場合があります。
2001 年に公表された脳・心臓疾患の労災認定基準では、業務の過重性を評価 する具体的な負荷要因(労働時間、交替制勤務・深夜勤務、精神的緊張を伴う業 務など7つの項目)が示され、長期間の過重業務の負荷要因としては労働時間が最も重要と判断されました。
過去 1 ヶ月間の週労働時間が 61 時間 以上(月時間外に換算すると約 80時間以上)では、週労働 40 時間以下(月時間外に換算すると 0 時間)に比べて心筋梗塞リスクが 1.9 倍となるとLiuらによる長時間労働と心筋梗塞に関する研究結果があります。
また、その研究によると、過去 1 年間の勤務日の睡眠時間が 1 日 5 時間以下では、6~8時間に比べて心筋梗塞リスクが 2.5 倍となっています。
(参考:長時間労働者の健康ガイド 独立行政法人労働安全衛生総合研究所)
・長労働時間による健康被害を抑えるために
①労働時間の把握
上記に示した通り、労働時間が健康問題を引き起こす要因となるため、勤怠管理システム等を導入して従業員がどの程度の時間外労働や休日労働をしているかを可視化する必要があります。
②健康管理体制の整備と健康診断の実施
労働者の健康管理のため、事業場において選任した産業医、衛生管理者、衛生推進者等に健康管理に関する職務を適切に行わせましょう。また常時使用する労働者に対しては、1年以内に1回、定期に健康診断を実施しなければなりません。深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対しては、6か月以内に1回の特定業務従事者健康診断を実施しなければなりません。
③管理職(ミドルマネー ジャー)の意識改革
平成28年度 経済産業省 働き方改革に関する企業の実態調査によると長時間労働の原因に対する意識として、全体で最も多いのは「管理職(ミドルマネージャー)の意識・マネジメント不足」(44.2%)となっています。
管理職に対して意識改革を行うような研修を実施することも有用だと考えられます。
・まとめ
以上のことから長時間労働はあらゆる健康問題の原因となることが分かりました。すぐに改善できる問題ではないかもしれませんが、今すぐに出来る事から対応し、従業員が健康で生き生きと働くことの出来る職場作りをしていきましょう。
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木村 仁士(キムラ ヒトシ) 株式会社グッピーズ 取締役事業本部長
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