逆発想の人事制度の3つのポイント
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前回は、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨て、
逆発想で人事制度を考えるべきだとお伝えしました。
では、逆発想の人事制度とは、具体的にはどういうものかと言えば、
その主要ポイントは以下の3つです。
1.等級制度をなくす
2.評価と給与を分離する
3.キャリア開発制度を中心に据える
実際には普通の人事制度と違う点はまだあるのですが、
この3つだけでも人事コンサルタントや人事担当者が聴けば
驚く内容だと思います。
事実、私がお話したほとんどの人事コンサルタントや人事担当者は
非常に驚かれます。
なぜなら、人事に携わる者にとって、
人事制度に等級制度があるのは当然のことですし、評価をいかに
給与に連動させるかに今まで苦心してきたからです。
また、キャリア開発制度を福利厚生的に考えている
人事コンサルタントや人事担当者もいらっしゃいます。
この3つのポイントはすべて、
「アメとムチではモチベーションは向上しない」
「人が人を評価することには限界がある」
という設計コンセプトによって必然的に導き出された結論です。
まずは、1番目の『等級制度をなくす』についてです。
等級制度の基本知識を簡単に押さえておきますと、
等級制度にはさまざまな呼び方があり、
どのような基準で社員を格付けするかによって、
「職能資格制度」「職務等級制度」「役割等級制度」などのように
区分されます。
しかし、社員の格付け制度であることには変わりありません。
ここでは一定の基準で社員を格付けする制度のことを総称して
「等級制度」と呼びます。
社員を格付けする基準には、
職務遂行能力やコンピテンシー、役割、責任、職務などがあり、
その難易度や貢献度によって社員を格付けします。
そして、その格付けされた等級によって、給与水準や昇給ピッチが
決定されます。
また、それぞれの等級には役職が連動されていて、
役職に就くには対応する等級に属していることが必要条件となります。
等級が上位になることを「昇格」、役職が上位になることを「昇進」と
呼びます。
等級制度の大きなねらいは、
1.登用や異動などの人事処遇の意思決定の合理性・納得性を高める
2.昇格(昇進、昇給)を刺激剤として社員のやる気向上を図る
ということです。
確かに一見すると、等級制度を適切に構築・運用すれば、
このねらい通りになるように感じられます。
等級制度の仕組みから言えば、
ある役職に社員を登用する際に、対応する等級に属する社員から
人選することで、実力に見合った登用ができるはずです。
一方で、社員の意識としては、昇格して多くの給料を得るために、
あるいはより高い役職に就く可能性を広げるために、
昇格基準を満たそうと自己研鑽に励むはずです。
非常に理に適っているように感じられます。
しかし、多くの企業では、ねらい通りの効果を得られていません。
次回は、その原因を探っていきましょう。
生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔
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生きがいラボは、新たなカタチの人事制度である「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを行っています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
福留 幸輔(フクトメ コウスケ) 代表取締役
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