「採用したい人材」のアンケート結果に感じたこと。
「日本の人事部」で毎年発行している「人事白書」の最新版を購入しました。
採用、人材育成、制度など、あらゆる視点でのアンケート結果が載されており、
とても興味深い結果が見られました。
その中で、「採用したい人材の要素は?」という項目があり、
「自ら考え自発的な行動ができる」というニーズが断トツでトップ。
この結果を見て、私は何か違和感を持ちました。
大学を含めた日本の学校教育はほとんどが「暗記型」の教育であり、
「正解があり、それを間違ってはいけない」という教育を行っています。
(最近は多少の変化が見られますが、基本は変わっていません)
その教育を受けた人は「自ら考え、自発的な行動ができる」
ということが可能なのでしょうか。
もちろん、中にはできる人もいるでしょう。
しかし、暗記型の教育を受けた人は「自分で考える」経験が少なく、
「間違ったことはしたくない」「与えられたことを正しくやれば良い」と
いう思考プロセスが身についてしまっている可能性が高いと思います。
当然ながら、ビジネスには絶対的な正解はありません。
様々な場面において、自分で考え、行動することが求められます。
そのことをふまえた上で、人事担当の方に質問したいです。
「自ら考え、自発的な行動ができる」人材を採用するために、どのような募集を
行っているのでしょうか?
面接官はどうやってその能力を見分けているのでしょうか?
面接官自身にその能力はあるのでしょうか?
会社ではその「自発的な行動」を寛容する仕組みができているのでしょうか?
「自発的な行動」を行う人材に育成する仕組みはあるのでしょうか?
「最近の学生は・・・」と考えている人事担当者の方も多いと思いますが、
実は自分たちの会社がそのような人材をいかに採用し、育てるのかを
考えずに、責任を学生に擦り付けているケースもあるのでは?と
このデータを見て感じてしまいました。
そして、そもそも、今いる会社の人たちが新人に求めていることをできている
のでしょうか?中堅社員や管理職でも自分で考えて行動しない人はたくさん
いるように思うのですが。
もちろん、このアンケートは「採用したい人材はどんな人材ですか?という
問いですから、今回の回答が「間違っている」「おかしい」ということはありません。
ただ、今回の結果を見た時に、自分たちがそのような人材を採用・育成する
仕組みができているのかは、振り返る必要があるように思うのです。
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「研修設計のノウハウを広めています」
効果的な研修や人材育成を行なうためのワークショップ開催や資料提供、ファシリテーター派遣を行っています
今までに設計した研修は2000件以上。その満足度は90%以上いただいております。
真剣に人材育成に取り組んでいる企業・自治体や担当者様のパートナーとして
全力で支援し、人材育成で組織を元気にしたいと考えています。
飯島 宗裕(イイジマ ムネヒロ) 一般社団法人日本研修コーディネーター協会 代表理事/人材育成コンサルタント・日本酒コンサルタント
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