社長の右腕社員が辞めるのはなぜ?原因や心理背景を解説
今回取り上げるテーマは、経営者の方から定期的に寄せられる相談です。
「右腕にしていた社員が辞めてしまった」
これは経営者の方から定期的に寄せられる相談です。
事業のことを深く相談していたり、会社のナンバー2の様に仕事を任せていたりと、頼りにしていた社員が辞めるのはつらいです。
仕事にも影響が出ますし、社長の精神的なショックにもつながります。
そこで今回は私の視点から、右腕社員が辞める原因や心理背景を解説します。
●右腕社員が辞めるのはなぜ?
右腕社員が辞めてしまうのは、3つの原因があります。
どれか1つに該当することもあれば、複数に当てはまることもあります。
1、会社や職場を見限った
「この会社にいても未来はない」
「この会社では成長できない」
「この職場にいては自分がダメになってしまう」
この様に会社や職場を見限ったことで、退職を決断する人は意外といます。
パレートの法則は有名ですが、右腕社員は上位2割の部類に入るでしょう。
その他8割の社員の働きぶりを見て、物足りなさを感じることがあるのです。
あるいは会社の掲げるビジョンと、自身のビジョンが合致しなくなることもあります。
入社当時は共感できていたものの、次第にズレを感じる様になると退職を選ぶのです。
また社長がワンマンだったりと、働く人を見て退職することもあり得ます。
2、社長が尊敬できない
「すべての悩みの原因は人間関係である」
これは『嫌われる勇気』で有名な、心理学者のアドラーの言葉です。
この言葉には私も共感していますが、つまり仕事の悩みも人間関係が根本的な原因です。
もし人間関係に悩んでいれば、右腕社員でも退職を選択するでしょう。
あるいは仕事ができるからこそ、社長との関わりをシビアに見ています。
尊敬できない社長だったり、ついていきたいと思えない社長であれば、そこで働き続ける魅力を感じないのです。
普段から密接に関わっているからこそ、社長の言動は右腕社員に見られているのです。
3、自分に仕事が集中して限界に達した
右腕社員だからこそ、仕事が集中しがちです。
周囲からも頼られたり、困難な案件も任されやすくなります。
もちろん仕事はできるのですが、業務量が増えるほど心身ともに限界を迎えます。
たとえ給料に反映されたとしても、メンタル的に限界が来てしまい、退職を選択してしまうのです。
実際に退職すれば仕事が集中せず、快適に働ける可能性もあるのです。
●もう手遅れです
右腕社員が辞めるという話を聞き、必死に引き留めようとしても、手遅れであることが多いです。
退職の意思を固めたということは、彼らの中で気持ちの整理がついたということ。
再検討する余地はなく、覚悟を持って退職届を提出しているのです。
だからこそ大事なのは、右腕社員の退職を繰り返さないこと。
会社として課題に向き合えていないと、一定周期で右腕社員の退職が繰り返されてしまいます。
これでは将来の幹部候補がいなくなってしまいます。
●残された社員にも悪影響が及ぶ
また右腕社員の退職は、職場にネガティブな影響を与えます。
仕事ができない社員の退職や、取り立てて目立つことのない社員の退職なら、周囲もさほど気に留めません。
ですが右腕社員の退職は、職場に少なからず動揺を与えます。
「会社を見限ったのでは?」
「何か不満があったのでは?」
周囲があることないこと想像をかき立ててしまいます。
「あの人が辞めたなら自分も…」
今まで不満を抱いていた人が、立て続けに退職を申し出ることもあるのです。
そして右腕社員の退職により、別の社員に仕事の負担がのしかかります。
特定社員への仕事量の多さにつながり、退職の流れが止まらなくなってしまうのです。
●右腕社員が辞める会社にありがちなこと
そして右腕社員が辞める会社には、共通点があります。
右腕社員だけに原因を求めようとしても、根本的な変化にはつながらないのです。
●社長が頼りない
社員が辞める会社は、社長が頼りないことが多いです。
部下の顔色を伺ったり、決断力がなかったり、堂々と話ができないのです。
頼りない姿は、右腕社員にも伝わります。
「このトップで大丈夫かな?」
「この会社にいない方がいいのかな?」
こうした気持ちを抱き退職へと向かいます。
また社長が頼りないことで、特定社員に仕事が集中してしまいます。
●社長がワンマン
一方でワンマンな社長でも、右腕社員は退職してしまいます。
高圧的な言動を取ったり、社員の意見を聞こうとしなかったり、マウントを取るトップもいます。
トップダウンで物事を決め続けたり、できない点ばかり指摘する社長がいては、社員も嫌になってしまうのです。
「この人にはついていけない」
「理不尽だ」
この様に感じるほど、退職を決断してしまうのです。
●根本原因は自信のなさ
私は相談に来られる方に対して、仕事の悩みの原因は自信のなさだとお伝えしています。
右腕社員が退職してしまうのも、社長の自信のなさが根本原因です。
頼りなさを見せてしまうのも、ワンマンに振る舞ってしまうのも、自分の自信のなさが背景にあります。
常に自信なさげな人もいれば、特定の場面で自信がなくなる人もいます。
いずれにせよ自信のなさと向き合わないと、悩みは形を変えて繰り返されます。
右腕社員や一般社員が退職する流れが、この先も繰り返されてしまうのです。
●多くの問題が発生していることも!
そして社長の自信のなさが影響し、右腕社員の退職以外の問題が発生しているケースもあります。
たとえば急に売上がダウンしたり、取引先との間でもめることもあります。
また仕事が順調でも、プライベートで問題が発生することもあります。
夫婦関係で問題が起き、別居や離婚につながる事例もあります。
自信のなさに向き合わなければ、右腕社員の退職だけでなく、日常のさまざまな場面で問題が発生するのです。
時間が解決してくれることはなく、社長自身が向き合う必要があります。
●どうすれば現状を変えられるのか?
ここまでお伝えした通り、右腕社員が退職する根本原因は、社長の自信のなさです。
自信のなさに向き合うことが、現状を好転するポイントです。
そしてそのための方法が、「どうしたいのか?」と問いかけること。
普段から「どうしたいのか?」と問いかけていきましょう。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
自分を主語にして問いかけないと、自信が持てなくなってしまいます。
部下の反応を気にしたり、つい高圧的に振る舞うこともあります。
頼りなさを見せてしまったり、ワンマンに振る舞ってしまうのです。
「した方がいい」
「しなければいけない」
「するべきだ」
「してあげる」
たとえばこれらの言葉は、自分を主語にできていない時に浮かびます。
自分以外の誰かのことを気にしているのです。
「どうしたいのか?」という問いかけは、現状を変えるために不可欠です。
●大事なのは「習慣」です
ここまで紹介した方法を使えば、現状を好転させることができます。
ですが大事なのは習慣化。
1日や2日実践しただけでは、根本的な変化にはつながりません。
そもそも右腕社員が退職したのは、今までの仕事の日々で積み重ねられたもの。
自信のなさと向き合いながら、方法を繰り返し実践することで、現状が好転します。
三日坊主という言葉がありますが、三日坊主では過去の自分に逆戻りしてしまいます。
「現状を変えないといけないのはわかっている」
「でもどうすれば良いかわからない」
こうした相談は私の元に多く寄せられています。
私は経営者の方を対象にエグゼクティブメンタルコーチングでサポートしていますが、本当の意味で自信が持てる様になるほど、仕事の悩みが解決し穏やかな気持ちで毎日を過ごせます。
今まで数多くのことを学んだものの解決しなかったことが、根本から解決へ向かった事例も多いです。
また仕事だけでなく、私生活でも良い変化が起きるケースは数多くあります。
「すべての悩みの根本原因は自信のなさ」
この点に気づくことが、現状を変えるための重要なポイントです。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムを書いたプロフェッショナル
伊庭 和高(イバ カズタカ)
株式会社マイルートプラス代表取締役
高校教員を経て、独立した2017年から7,000名以上のお客様を支援。自身もカスハラを受けた経験があることから、企業におけるカスハラ対策をサポート。カスハラやクレームを受けても現場の社員や管理職が自力でメンタルを立て直せる3ステップを開発。
伊庭 和高(イバ カズタカ)
株式会社マイルートプラス代表取締役
高校教員を経て、独立した2017年から7,000名以上のお客様を支援。自身もカスハラを受けた経験があることから、企業におけるカスハラ対策をサポート。カスハラやクレームを受けても現場の社員や管理職が自力でメンタルを立て直せる3ステップを開発。
高校教員を経て、独立した2017年から7,000名以上のお客様を支援。自身もカスハラを受けた経験があることから、企業におけるカスハラ対策をサポート。カスハラやクレームを受けても現場の社員や管理職が自力でメンタルを立て直せる3ステップを開発。
得意分野 | モチベーション・組織活性化、安全衛生・メンタルヘルス、マネジメント、コーチング・ファシリテーション、コミュニケーション |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 品川区 |
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