離職率・早期離職について
【ヒューマン・タッチ レター vol.83】
みなさんこんにちは。ヒューマン・タッチの森川です。
皆様の会社では、1年間にどれぐらいの従業員が退職されているでしょうか。
ある時点で仕事に就いていた労働者のうち、
一定の期間(例えば、1ヵ月、ないし、1年なり3年)のうちに、
どれくらいがその仕事を離れたかを比率として表わす指標が離職率です。
この数字、全体の離職率で15%程度に対して、
入社3年目までの社員に限ると、30%を超えてきます。
いわゆる早期離職のことです。
新卒で会社に入っても、3割の人はやめていってしまうのですね。
高卒や中卒であれば、この割合は大きくなってきます。
一般的には、退職の理由について、詳しく話をしてもらえない
ケースも多いと思います。
会社側も「介護のため」「体力面での不安」「家族の環境変化」など、
最もらしい理由であれば、それ以上は詳細を確認しないのではないでしょうか。
退職の理由はもちろん、メンタルヘルスやストレスにかかわるものだけでは
ありません。
「将来への展望が見られない」「期待した(聞いていた)仕事と内容が異なる」
「給与や福利厚生が不十分」など様々です。
アデコが2018年に、新卒入社3年以内に離職をした20代を対象に実施した
調査によると、離職理由として最も多かったものは
「自身の希望と仕事内容のミスマッチ」(37.9%)で、
次に「待遇や福利厚生に対する不満」(33%)、
「キャリア形成が望めないため」(31.5%)、
「長時間労働のため」(31.2%)、
「上司や同僚との人間関係に関するストレス」(31.2%)と続いています。
皆さんの会社では、そもそもこのような退職理由をしっかりと把握されて
いるでしょうか。
「まったく予兆が無く、突然退職届を出された」
「相談を受けたときには意志は固まっており、上司としてどうしようもできなかった」
などの声はよくきこえてきます。
早期離職に関しては、特に昨年からのコロナ禍でのイレギュラーな新人研修や
配属の対応などで、その数が増えたように思います。
新人の個別面談からは、社内での上司や先輩だけでなく、
同期の人間とも関係性がしっかりと作れないまま、バタバタと配属になり、
業務のミスマッチやキャリアに対する不安も増大したことも述べられています。
離職自体が悪いわけではないと考えます。
企業も新陳代謝が必要ですし、個人も自分のキャリアや待遇を求めて
柔軟な決定を行うことは健全なことではないでしょうか。
ただし、あまりにも離職率が高くなると、
・新規の採用が難しくなる/コストがかさむ
・業務自体への楽しさや面白さ(ワークエンゲージメント)が低下し、
生産性に悪影響を及ぼす
・結果、組織力が低下し、業績に悪影響を及ぼす
・取引先など関係者からの信用が低下する
などの影響が出てくるかもしれません。
私たち第三者のカウンセラーに対して、入社時の面談に限らず、
休職時・離職時の面談、入社3年目までの職員の全員面談
(1年目は年2回、2年目と3年目は年1回、など)のご依頼が増えているのも、
このような社会情勢が関係しているのかもしれません。
第三者でなくても、人的リソースがある会社は、
産業保健スタッフや人事や総務の担当者が、
しっかりと新人の話を聴くこと「傾聴」すること、
今だからこそ強く求められているのではないでしょうか。
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通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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