【ヒューマン・タッチ レター vol.23】
みなさんこんにちは。森川です。
今回も弊社社員Sさんから質問があったパワハラの話題を。
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生徒たちに「いじめはいけない」と教える立場の教員たちが加害者となった、
神戸の小学校における後輩教員へのいじめ事件。
なぜ、このような事件が起きてしまったのか、心理的な側面から分析すると?
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話題提供はありがたいのですが、難しい質問ですよね。
限られた情報から特定の事案について考察するのは、限界があると思いますが、
一般論として書かせてください。
パワハラが起こってしまうのは、大きく3つの要素があると考えられています。
■1つ目は、行為者となる人間個人の「認知の癖や偏り」による要素です。
例えば「~でなければならない」という認知の癖が強い場合、
そのように仕事が進まなかったり、部下が自分の思う様に動かなかったりすると、
「怒り」の感情が強くなり、「行動」として行為を行ってしまうことがあります。
CBT(認知行動療法)の考えから理解しやすいですね。
■2つ目は、「閉ざされた空間」という要素です。
「職場」だけでなく、「軍隊」「家庭」「教室」などもそうですね。
閉じられた空間が、権力の行使と個人の支配欲・権力志向・臆病さなどを結び付け、
助長する場合が考えられます。
■3つ目は、「集団の心理」「否認・否定の心理」の要素です。
「みんなでやれば怖くない」
「自分は加担したくないのだが、会社が、組織が、上司がそうさせている」
といった思いが、目前の行為を黙認したり、助長させてしまうことがあると思います。
上記、パワハラを生じさせる要素であるとすれば、対応についてもヒントになりますね。
〇行為者、加害者には公正で厳正な対応と、個人の認知の再構成などの支援
〇閉ざされた空間への対応としては、
「職場に風穴をあけるようなコミュニケーション」にとりくむこと
〇組織として、指針やルールを明確にし、その運用を徹底すること
「学校」といえども「職場」であることに変わりはありません。
私もスクールカウンセラーをしていたこともありますが、
「閉ざされた空間」という視点では、営利目的の会社以上に「閉ざされた」職場かもしれません。
そのような環境の中で、長く勤務している職員や、一目置かれている職員の力は
固定化され、いじめが継続されていたのかもしれません。
パワハラを、特定の人だけの問題ととらえるのではなく、
組織の課題としてとらえ、皆が働きやすくなる環境を目指していきたいですね。
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得意分野 | 安全衛生・メンタルヘルス、コーチング・ファシリテーション、コミュニケーション |
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