部下の弱音を吹き飛ばすリーダーの一言~組織のD&I実現の土台

今回は、
「一人ひとりが充実した仕事人生を送れる組織となる」
について一緒に考えていきたいと思います。

 

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■D&Iが実現した組織とは
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VUCA時代の今、D&Iの実現は組織にとって必要不可欠です。
D&Iが実現した姿とは、

◎一人ひとりが充実した仕事人生を送れている組織

だと私は考えています。

もし仕事において充実感を感じられないままだと、

・言われたことだけやればいい
・人と関わるのが億劫だからコミュニケーションは最低限
・仕事の環境や上司・同僚に対して何かと不満を持ちやすい

といった心理状態に陥りやすいと言われています。

そのような状態を抱える組織では、
D&Iの実現は思うように進まないことは言うまでもありません。

D&Iの真の目的は、一人ひとりの多様性を融合させて
その相乗効果により、新しい価値を生み出して、
イノベーションを起こし続けることです。

イノベーションを起こすためのキーポイントは、
「多様性」×「チャレンジ」と言われています。

つまり、多様性を発揮し、チーム・組織の取り組みに対して、
自ら貢献すべくチャレンジしようと思える環境を
創ることが、組織のD&I実現の土台となるということです。

これらの理由から、
「一人ひとりが充実した仕事人生を送れている」
これがD&I実現の1つのバロメーターになると考えています。

 

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■【経験談】部下の弱音を一掃するリーダーの一言
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私が大企業時代、副社長直轄プロジェクトに
携わっていた時の話です。

メンバーは副社長と私の2人きり。
独創的な発想で新規ビジネスの展開を試みていたので、
周囲からはリスクが高いとみなされていました。

多忙な副社長の代わりに、当時課長クラスの私が
関連する事業部長や他社経営者に協力を仰ぐも、
後ろ向きで厳しい意見を言われるばかりで
協力を取り付けることができませんでした。

とうとう、私は副社長へ「誰も協力してくれない」と
愚痴をこぼしてしまいます。
そんな私の弱音に対して、
副社長は即座に切り返してきました。

「それぐらいで諦めるのか?
どうしたら実現するか、強い気持ちで取り組もう!」

私の弱音を吹き飛ばす勢いで、その場で副社長自ら
実現に向けたアイデアを出してくれ、私もいつの間にか
その熱意に呼応するように発想を広げ、最終的には
その時のアイデアをきっかけにプロジェクト実現まで
こぎつけることができたのです。

私は、副社長がどんなに厳しい状況下でも諦めず
チャレンジし続ける姿を目の当たりにしてから、
この人についていきたいと強く思いました。

そして、私も周囲に良い影響を及ぼし、
仕事を成し遂げられる、そんなリーダーになろうと
心に誓ったほど、自分自身の仕事に対する姿勢が
激変したきっかけの出来事となりました。

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■マネジメント層の影響力でD&I推進を加速させる
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「多様性」×「チャレンジ」をチーム・組織に
もたらすための効果的な方法は、まずは
マネジメント層(特にトップマネジメント層)の
影響力を高めることが必要だと考えています。

周りに対してより影響力の大きいトップマネジメント層が
自ら自分の特性を強みとして発揮し、
チャレンジし続けている姿は
周りの人たちに対して良い刺激を与え、
各自の気づき・自律的な行動を促しやすくなります。

それが、一人ひとりが成長・貢献意欲を持ち、
組織全体がイノベーションを起こし続けるチームへの
発展を後押しすると、私は確信しています。

特に、男性管理職比率8割超といった技術系企業での
D&I推進は思うように進まないという実態があります。

ダイバーシティ推進担当者や人材育成担当者の方には、
社員一人ひとりが充実した仕事人生を送れる組織となるため、
経営層・リーダー層という影響力の高い対象者に対する
施策について一度考える機会を設けていただければと思います。

その取り組みを突破口にして、
真のD&I実現を達成いただくことを心から願っています。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術の現場に“変革の起点”を。
3年で“生え抜き女性役員”を持続的に生み出す仕組みを創る

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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