多様な価値観を融合するためのルールの重要性

今回は、
「多様な価値観を融合するためのルールの重要性」
について考えていきたいと思います。
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■ジェンダーギャップ指数2023
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ジェンダーギャップ指数2023が発表されました。
<ジェンダーギャップ指数とは>
世界経済フォーラム(World Economic Forum)が
『世界男女格差報告書』において2005年から毎年発表している、
社会進出における各国の男女格差の度合いを示す指標。
0を完全不平等、1を完全平等とし、経済活動の参加と機会、
教育の到達度、健康と寿命、政治への関与の4分野における
男女格差を数値化・ランク付けしたもの。
https://jinjibu.jp/keyword/detl/902/
(日本の人事部より)
日本は前回から9つ落として125位。
先進国の中で最低レベル、
ASEAN諸国の中でも最下位です。
なぜ、日本のジェンダーギャップ指数は低いのでしょうか。
私は、国をあげて取り組んでいる女性活躍推進などの
取り組み自体が形骸化しているのが原因ではないかと
考えています。
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■根強い「性別役割分担意識」
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特に深刻なのが、こちらの2分野です。
政治(146カ国中138位)
経済(146カ国中123位)
正規雇用と非正規雇用の賃金格差がある中で、
非正規雇用は女性比率が高いことや、
女性管理職比率は世界的に見ても最低であること
などからすると、「男は仕事・女は家庭」
「男性は主要な業務・女性は補助的業務」等のように、
【性別役割分担意識】が男女それぞれにあることが
浮かび上がってくるように感じています。
技術系企業の若手女性社員が、子供が生まれたら
今まで通りに働けない、と言っている実態は
前回のコラムでお伝えした通りです。
https://jinjibu.jp/spcl/hosoki/cl/detl/4674/
性別に限らず、多様な視点を取り入れたり、
多様な働き方ができる組織風土をつくらなければ
ジェンダーギャップ指数は今後も低くなる一方ではないかと
私は非常に危惧しています。

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■多様な価値観を融合するためのルールが重要
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多様な価値観・働き方を実現する組織風土を
つくるためには、そこにいる人たちの多様性を融合する
必要があると考えています。
そこで重要なのが、多様性を融合するために
一人一人が協調し、一定のルールを守ることではないかと
思っています。
多様性だけで、一人一人バラバラに動いていては
融合はおろか、組織としての成果・成長もままならない
状態になりかねません。
柔軟な働き方を実現したものの、社員全員が集まる機会が激減し、
さまざまなことが空中分解しがちになってしまった企業様も
実際にこの目で見てきました。
家庭優先はいいけれど、中途半端な仕事を残りのメンバーで
毎回対応しなければならない不公平感が募り、改善策を
考える前に離職されてしまった、という企業もあります。
そこで大切なことは、多様性を認め合い、受け入れ合うための
一定のルールを組織ごとに設けることが
1つ挙げられるのではないでしょうか。
そのルールを守ることが、お互いの価値観や働き方をできる限り
尊重できるような組織風土を少しずつ育てていけるのではないかと
思います。
ダイバーシティ推進・女性活躍推進の本来の目的は、
「多様性を融合し、これまで以上の企業成長をもたらす」
ということであると私は考えます。
企業の経営者・人事担当者・ダイバーシティ推進担当者の方には、
現在の自社の取り組みが形骸化していないか、ぜひ立ち止まって
考える機会を設けていただければ幸いです。
そして、社内外の取り組み事例を参考にするなどして、
どうすれば組織内が公平で、お互いがwin-winとなるかを
考え続けることを通して、自社の組織風土醸成に
繋げていってほしいと願っています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
このプロフェッショナルの関連情報

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組織開発 しなやか組織改革プロジェクト
◆技術系企業に特化したDE&I推進支援 ◆実践型・人材育成アプローチで社員の意識浸透を促し、形骸化しない組織改革を実現
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