男性が多い職場の女性はコンセプチュアルスキルが身につかない?
先日、とある技術系企業様で女性社員育成研修に携わらせていただきました。
最後に、その企業様の経営層(女性)の方より
受講者の女性社員の皆様にこんなメッセージを伝えておられました。
「仕事をしていく中で、コンセプチュアルスキルは
欠かせません。女性の皆さんは苦手意識を持っている方が
多いかもしれませんが、今の私の立場でも
常に意識している部分でもあります。
今日の学びをぜひ仕事に活かしてくださいね」
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「コンセプチュアル・スキル」とは、
物事を多角的な視点で総合的に判断し、
知識や情報などを体系的に組み合わせて概念化することで、
物事の本質をつかむ能力のこと。
「日本の人事部」より
https://jinjibu.jp/keyword/detl/1382/
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私自身も、特にビジネスの場で相手に対して
納得性・説得性を高めていくためには、
コンセプチュアルスキルを身につける必要があると
考えています。
そんな私も、当初は論理的思考や情報の概念化などは
得意ではありませんでした。
しかし、このスキルを高めなければ周囲の協力を得られず、
仕事も進めづらいままでしたので、試行錯誤しながら、
時間をかけてコンセプチュアルスキルを
身につけて今に至ります。
コンセプチュアルスキルを磨けば、自分の考えや
思いがきちんと相手に伝わり、理解してもらえることが
体感として得られるので、特に男性管理職比率8割超といった
技術系企業の女性社員向け研修などでは
その重要性をお伝えするようにしている次第です。
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■男性が多い職場の女性はコンセプチュアルスキルが身につきづらい?
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特に男性管理職比率が高い企業における
ダイバーシティ推進・女性活躍推進のサポートを
させていただいているためか、
「女性社員=保護する対象」
として見ている傾向が未だ多く見受けられる企業が
まだまだ多いなという印象を私は持っています。
例えば・・
●女性の視点からの提案は何でも通してしまう
→女性活躍推進に取り組む中で「女性が言った」というだけで、
経営的な視点で検討・判断されることなく意見が通ってしまうことがある。
●女性社員からの要望は受け流されている
→論理的な説明を求めて「わかってくれない」と泣いたり
感情的になられると困るため、受け流されてしまうことがある。
●女性社員の育成方法に対して不安を抱えている
→男性には厳しく指導できるが、女性となると
対応に苦慮してしまうので言いたいことが言えていない状況。
このような環境下では、女性社員のコンセプチュアルスキルは
身につけづらく、ビジネス上における「コンセプチュアルスキル」
の重要性にも気づきづらいのではないかと思っています。
もし、実態として同じような環境下にある組織では、
女性社員たちはさまざまな場面で「保護」されているため、
本来組織の中で受けられる「成長」の機会を十分与えられず
損をしてしまっていると私は思わずにいられません。
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■コンセプチュアルスキルを高める2つのあり方
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これからリーダー・管理職となる方はもちろん、
男女に限らず、どんな立場にあったとしても
働く上ではコンセプチュアルスキルが不可欠です。
さらに、ヒューマンスキル(対人関係能力)も同時に
高めていくことが必要だと言われています。
私は、これまでの経験から
「コンセプチュアルスキル・ヒューマンスキル」という
この2つのスキルを身に付ける際には、
2つの重要な姿勢があると考えています。
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(1)目的意識をもって学ぶ
(2)常に実践し、小さなPDCAサイクルを回し続ける
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(1)目的意識をもって学ぶ
これは先日のコラムでお伝えした内容そのものに
なるかと思います。
→「やらされ感」の背景にあるもの
https://jinjibu.jp/spcl/hosoki/cl/detl/4248/
目的意識を持って学ぶために、自分自身ができること、
そして周囲ができることを詳しく紹介しています。
自分が大事にしたい“あり方”をいつも意識しておける
テンプレート「自分のあり方10か条」も
ぜひ参考にしていただければと思います。
(2)常に実践し、小さなPDCAサイクルを回し続ける
「頑張って説明しても、意見を取り入れてもらえない」
「同じことを言っているのに、私の提案は却下された」
このような体験をされた方も少なくないかもしれません。
これの原因の1つが、「コンセプチュアルスキル」である
可能性を常に考えるように意識していただきたいと
私は考えています。
伝える相手に対して説得力があれば納得性を引き出すことは
十分可能だと思います。しかし、そのスタイルは人の数だけ
あるのではないかと私は常々感じています。
普段から落ち着いた口調で温和なイメージを持たれている方が
相手に納得してもらうべく、相手も萎縮してしまうような勢いで
論理的な説明をしたらどうでしょうか。
相手を困惑させたり、無理やり意見を受け入れてもらった結果、
最終的に業務がうまくいかなかった、ということに
なってしまいかねません。
自分らしいスタイルでコンセプチュアルスキルを
高めていくためにも「実践」は不可欠です。
どうすれば伝わるのかを試行錯誤しながら実践し、
失敗したら改善する、を継続実践して欲しいと思います。
さらに、どのあたりが納得できなかったのか、
相手にフィードバックを求めてみるのも
スキルアップへの近道の1つかもしれません。
自分スタイルの確立には時間が必要ですが、
ぜひ、コンセプチュアルスキルを身に付けるという
目的意識を持って、実践を繰り返していただければと思います。
*
冒頭でもお伝えしたように、女性社員の方は
コンセプチュアルスキルに苦手意識を持っている方が
多い傾向があるかと思っています。
特にマネジメント層など、階層が上位になればなるほど
コンセプチュアルスキルが求められる場面が多くなるのは
ご存知の通りです。
人材育成に携わる、経営層や人事担当者の方には、
なるべく早い段階でコンセプチュアルスキルを醸成するような
仕組みやきっかけを、社員の方に広げていただくことで
組織の多様性をもたらしたり、イノベーションにつながる
取り組みになるのではないかと思います。
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◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
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