VUCA時代に求められる「課題解決力」

ある技術系企業様の組織改革プロジェクト始動が
目前に控えており、その準備で忙しくさせていただきながらも、
お役に立てる嬉しさでいっぱいの新年度を迎えています。
今回は、その企業様で最初に取り組む施策である
「次世代リーダー育成プログラム」において、
育成対象者に備えてほしいスキルの1つ
【課題解決力】についてお話を進めていきたいと思います。
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■VUCA時代に求められる「課題解決力」
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VUCA時代(※)と言われる変化の激しい現代において、
刻一刻と変化していく現状を正しく把握し、課題を見つけ
解決していく「課題解決力」は、“組織の力”として必要であると
私は考えています。
なぜなら、組織は事業内容や役割ごとに構築されており、
課題は営業部や経理部などそれぞれの現場で発生するものであり、
それを一人で解決するのは非現実的です。
さらに、新規事業参入や新たな設備投資など、複数の視点で
より大きな課題を解決しなければならない場面があることを踏まえると、
組織には多様な視点で課題を捉えることができ、その課題を解決に
導く力を備えた人が多く求められているのではないでしょうか。
特に、リーダー的な立場にある人は、自チームの課題を
「会社組織の課題にどうつながっていくのか」
という観点でを常に考えながら設定する力が重要であり、
その力は“組織の力”に直結していくものであると私は考えています。
※VUCAとは、V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の4つの単語の
頭文字をとった造語で、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。
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■“自分の仕事”と“会社が目指す先”をつなげるために
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自チームの課題を、会社組織の課題と結び付けて
考えるためには「経営的視点」で自分の仕事を見る力が
重要であると、私の経験則上も実感しています。
私が経営視点で自分の仕事を捉えられるようになったのは、
中小企業診断士の勉強を始めたことがきっかけでした。
会社の公開する財務状況から、会社が目指す方向性、
会社が抱える課題を分析した上で、年度初めの社長挨拶を
聞いた時、“今後、会社が進んでいく先”が数字の裏付けと共に
自分の中で明確になり、深く納得するに至ったのです。
「まるで、目の前の霧が晴れたよう」とは、まさにこのことで、
それまでぼんやりとしか理解できていなった、今のポジションにいる
自分に、会社は何を求めているのかを理解することができ、
自分の課題解決が、会社全体の課題解決に直結するための
よりよい進め方なども見出せるようになっていきました。
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■「経営的視点」を醸成して課題解決力を身に着ける
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今、私は技術系企業に特化したダイバーシティ経営の推進支援に
尽力していますが、その活動を通して一貫してお伝えしていることの
1つが「経営的視点」を組織で働く一人一人が持つことの重要性です。
組織で働く一人一人が「経営的視点」を備えることで、
日々発生する課題を、会社成長につながる解決策と共に
乗り越えていこうという、自律型姿勢で行動できる人材の
育成にも繋がっていくと確信しています。
人材育成に携わる方には、社員お一人お一人の「経営的視点」を
育み、自律型姿勢を備えた課題解決力を身に着けてもらうため、
自社でどのような施策に取り組めば良いのか、ぜひ考えて
いただく機会を設けて頂きたいと考えています。
施策検討のポイントとしては、今の社員に与えられた役割や
ポジションが、会社の方針とどのようにつながっているのか
について、気づき・理解を促すような仕掛けを意識して
施すことが1つ挙げられるかと思います。
それが社員自身の「課題解決力」の醸成につながり、
課題解決のために、多様な視点を受容し、互いに力を
引き出し合い活かし合うというダイバーシティの観点も
醸成することにつながっていくと私は考えています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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