女性管理職の成長が経営者の意識を変えた
ダイバーシティ経営コンサルティングで関わらせていただいている技術系企業様において、
1年間の女性管理職育成プロジェクトを実施し、この度、最終報告会を終えました。
参加者を見守りフォローしてきた女性社員の上司の方は、最終報告会については任意参加だった
にも関わらず、全員参加(!)され、この1年の取り組み成果をどのように見守ってきたかを
語ってくださるなど、終始感動的な場面に目頭が熱くなりました。
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■D&I突破口となる女性管理職数が2倍に
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まさに、今回の最終報告会では、技術系企業D&Iの突破口となるような、
しなやかな女性管理職の存在が経営者の意識を変えるのだということを、
育成対象者であるお一人お一人が体現してくださったと感じています。
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たった3人の女性管理職からスタート
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今回ご紹介する300名規模のIT系企業では、
当初、女性管理職はたった3人しかいませんでした。
技術系企業によくある新3K(きつい・厳しい・帰れない)
の現場で、最も忙しい立場が管理職であり、日々の残業は
当たり前という職場環境で女性管理職はもちろん、職場全体が疲弊していました。
この状況を打開するため、ダイバーシティ経営へ舵を切ることを
決意した経営者から、弊社へお声掛けいただいたことをきっかけに
女性管理職育成プロジェクトを提案し、女性管理職および
次期女性リーダー候補の育成に関わらせていただくことになったのです。
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ポイントは「業務と一体化した現場実践課題」
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導入の決め手は、管理職としてのスキル付与・マインド醸成と
共に取り組む「業務改善」でした。
現場の忙しさは筆舌に尽くし難く、研修で学びながら
業務改善に取り組むのは、非情であったとすら思います。
それでも、新3Kを打開するため、研修と業務を切り離さず
実際の現場業務と一体となって業務改善に取り組んだことで、
どの現場にも共通課題だった
●チームメンバーの業務負担の偏り
この根本原因を突き止め、そこから研修に参加した
メンバーそれぞれが解決策立案~効果検証を繰り返し、
お互いにアイディアを出し合ったり、効果的な施策は
積極的に情報共有して部署間を超えたネットワーク構築も
自然と出来上がっていきました。
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学んだスキルも即現場で実践し実力強化
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チームの業務改善・生産性向上に向けた取り組み施策は、
周囲のメンバーを巻き込み、協力体制を築かねば
成功はありえません。
研修では、業務改善のステージごとに
上司やチームメンバーをうまく巻き込むコツや
チームの意見を最高の結論に導く調整力の高め方、
協力者になってほしい人への動機付けの方法、
メンバーのモチベーションアップのヒントはもちろん、
自分のモチベーションを維持するための自己マネジメントまで、
これだ!と思う役立つメソッドをお伝えしてきました。
最終報告会では、それぞれが出した成果と共に
「学んだスキルが即現場で役立った」
と多くの方が語ってくださり、心底嬉しかったです。
なぜなら、私はお伝えすることはできても、
実際にそのスキルやメソッドを受け取り、
実践し、成果へとつなげていくのは
本人しかできないからです。
しっかりとスキルやメソッド受け取り実践した結果、
最終的には【全社的な業務標準化に成功】という
会社にとっても最大の成果として承認されました。
この取り組みを通して、新たに女性管理職も誕生し、
現在7名がしなやかなリーダーシップを発揮しています。
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■女性管理職の成長が経営者の意識を変えた
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成果報告会の後、同席していた経営者が私の元へやってきて
こう言いました。
「素晴らしい報告会でした。皆さんの意識が高まって
成果が出ていることに驚きです。今後もこの取り組みを
続けたいので、よろしくお願いします。」
私は思いがけない申し出に少々びっくりしてしまいました。
というのも、しなやかリーダー塾が始まって数ヶ月の頃、
「この取り組みを今後も継続するかは検討中」
という議題が上がっていることを耳にしていたからです。
もちろん、それから長い時間が経っていますが、
経営者の意識が変化した理由は、成果報告会を通して
以下の2点を直接認識されたからだと考えています。
・上司から女性部下に対する評価コメントを直に聞いた
・実際に会社成長につながる成果が出た
この結果、
「ダイバーシティ推進のために女性管理職を育てよう」
から、
「女性に限らず、リーダ候補者や社内マイノリティにもこの取り組みを広げていこう」
という経営層の意識変化がもたらされたのではないかと思っています。
ちなみに、この企業様ではプロパー社員と出向社員で
構成されており、これからの会社を支えるプロパー社員にも
管理職育成プロジェクトを通して育成し、社員と会社の両方を
成長促進したいと考えておられるようです。
*
このように、経営層の意識改革をもたらし、
人的資源への投資の重要性について本腰を入れて検討するまでに至ったのは、
想像を絶する忙しさの中を
1年間という長期間、頑張り抜いた
女性管理職・次期女性リーダーの皆さんが出した
成果が刺激となったのは言うまでもありません。
やっぱり、しなやかな女性管理職の存在は、
D&Iの突破口となる、ものすごい影響力があるのだ!
と改めて思い知らされたような気がしました。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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