男性社員が多い職場なら、男性側から変わるべき?
大手技術企業様において、2年間の女性社員育成プロジェクトのプログラムを導入することが決定しました。
本日も、対象者の個別面談をオンラインで鋭意実施中です。
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■「現場実践」から生まれる真のマネジメント力
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対象者お一人お一人と話をさせていただく中で、
「マネジメントはやってみないと身につかないものだな」
と改めて気付かされています。
この大手技術系企業様では元より社員育成に力を入れており、
各年次において全社員向けのマネジメント研修や
リーダーシップ論といった教育を取り入れています。
しかし、今回の面談を通して私が把握した実態は、
「マネジメントに自信がない」
「どうやって部下育成すればいいのかわからない」
「チームをまとめきれず成果が出ないから辛い」
といった女性たちの本音でした。
私も大企業で管理職を10年務めさせていただき、
今は管理職育成サポートというやりがいのある仕事に
携わらせていただいておりますが、当初、管理職に
なりたての自分は、それはもう壁にぶつかってばかりの
日々で、試行錯誤を繰り返していたものでした。
10年間、悩み、もがきながら向き合って
経験を重ねてきた私がお伝えできることがあるとすれば、
「マネジメントは、実践あるのみ」
ということなのかもしれません。
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■「実践」にこだわる理由
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女性のための管理職育成機関として立ち上げた当社サービスは、
そんな私の実体験から構築したプログラムとなっているため、
「実践」は必要不可欠な要素として組み込まれています。
それが例え1時間の講演会であっても、
各自が視聴するような動画セミナーだとしても、
いかに目の前の方が「実践したい」と思っていただけるか、
そこに毎回最大限の工夫を凝らしています。
そこまで私がこだわる理由は、やはり実践を通して得られた経験から
真のマネジメント力につながり、試行錯誤しながらも取り組む姿勢やその在り方が
周囲への影響力として伝搬していくのではないかと考えているからです。
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■男性社員が多いから、男性側から変わるべき?
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実は、今回しなやかリーダー塾オンライン版を受講される
企業の女性社員のみなさんと面談をしている中で、
「なぜ今更、私たちを育成するんですか?」
と疑問を投げかけてくる方も一部いらっしゃることが
分かっています。そうおっしゃる女性の方の気持ちも
面談でじっくりお話を伺っていると理解することができました。
とはいえ、この技術系企業の経営層のみなさんは、
ダイバーシティ経営の必要性を強く感じており、
社員ひとりひとりの能力を最大限発揮できるような
意識の醸成と環境整備が急務であるという認識で一致しています。
そして、今現在女性社員比率が低く、
女性管理職も数えるほどしかいない実態から
目を背けずに取り組んでいこう、という想いで
変革に取り組もうとしているのです。
しかし、現実には、
「男性の方が人数も多いのだから、男性社員から変わるのが先ではないでしょうか?」
という声があろうことは予測していたため、
このプロジェクトのプログラムには、男性上司向けの
ダイバーシティマネジメント講演会もセットで実施することを
初めから組み込ませていただいておりました。
もし、私がここで1つだけお伝えできる事実があるとすれば、
「男性は女性を活かしきれていない」
「女性は男性の考えを理解しきれていない」
という、“相互理解の限界”が今ここにある、
ということかもしれません。
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■女性活躍推進から始まるダイバーシティ推進
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どうすれば女性社員を活かせるのか分からない男性上司に
「分かって欲しい」と気持ちを伝えることも大切な行動の一つだと
思いますが、私はもう一歩考えを進めて、
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まず、仕事で成果を出す
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というアクションを女性側から起こすことで、
男性に「成功事例」として見せる、ということを
女性リーダー育成の取り組みを通じて提案しています。
なぜなら、
「こんな環境が整えば、より仕事に取り組みやすいです」
「女性はこうやって活用すると、力を発揮しやすくなります」
といったことを男性側に知ってもらう機会を
増やしていくことが、相互理解を阻む壁を打開する
初めの一歩になることを、私自身が経験しているからです。
私もなかなか男性上司に理解してもらえず
モヤモヤした気持ちを抱いていた時期があったのですが、
仕事で成果を出したことによって、男性上司が私の提案を
受け入れてくれたり、業務遂行のための支援をしてくださるなど
驚くほど仕事がやりやすくなったことを覚えています。
もし、過去の私のように、思うように仕事が進まない、
なかなか自分の意見を理解してもらえない、と
悩んでいる女性社員の方がいらっしゃるのであれば、
まずは成果を出すことからはじめていただければと思います。
そのためにも、重要なポイントは
やはり「実践」ではないでしょうか。
女性活躍推進という言葉には、どうしても
“女性の権利のため”
"女性だけがやるべきもの”
といった少々ネガティブなイメージが
持たれてしまっている面もありますが、
“男女共に取り組むもの”
"ダイバーシティ推進に向けた取り組みの一歩”
という真の意味があることを、今一度振り返って
考えていただきたいと私は思っています。
***
今回ご紹介した大手技術系企業様においても、
本プロジェクトを通して女性社員のみなさんに「実践し続けること」の大切さを
体感していただけるよう全力でサポートしていきたいと思います。
そこで生まれた成果を、経営層や男性管理職の方に
しっかりと受け止めてもらうことで、女性社員のみなさんが
より自信を持って仕事で成果を出しつづけることにつながり、
さらなる会社成長がもたらされることを確信して・・!
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◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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