技術系女性社員のキャリアアップ

女性活躍推進2.0実態調査が1,100回答を超えました。アクセス数は1,400超となっており、
調査期間である8月5日までには、さらに実回答も増える見込みです。
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■技術系女性社員のキャリアをどうするか
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今回取り組んでいる女性活躍推進2.0実態調査や
企業研修・コンサルティングに関わらせていただく中で
最近特に多く耳に入ってくる悩みが、
【男性が多い組織での技術系女性社員のキャリア】
ーいわゆる、研究職やSEなどの女性社員たちの
キャリアについてです。
会社側(人事)としては、女性技術職にも管理職を目指して
もらい、ゆくゆくは幹部までになって欲しいと考えている一方で、
当の女性社員は、
「技術の仕事がしたくて入社したので、管理職は考えていません。」
「このまま専門職として仕事をしたいので」
と考えていることが多いようで、双方の思いは
なかなか交わることがないのが現状のようです。
私は、このねじれ構造が続くことこそ、
会社成長を阻害する最大の要因の一つになりかねないと危惧しています。
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■ポイントは良質な情報共有
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このねじれ構造の解消に必要なことは、
【情報共有】
であると私は考えます。
「なんだ、そんなことか」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
ただ会社や人事から表面的な情報共有をするのではありません。
当の女性社員の視点に立ったときに、
「私が会社から求められていることは何か?」
「会社における私の役割は何なのか?」
「私は何を目指して仕事をするべきか?」
これらのことを、女性社員のみなさんに
しっかりと腹落ちしてもらうような、
きっかけとなる質と量の情報共有をすることが
ポイントです。
女性活躍推進が思うように進まない企業が
はまりがちな情報共有は、
「女性活躍推進法の対応のために、女性管理職の数を上げることが必要です。
現状の数は●人なので、あと■年で▲倍を目指しています」
と伝えて、管理職を目指さないかと女性社員に
声かけをしていることが多いように見受けられます。
残念ですが、このような情報共有では
特に技術系女性社員に腹落ちさせることは難しいでしょう。
大切なのは、
【女性社員の視点に立つ】
ということです。
女性社員が管理職になる「意義」をしっかりと
理解するような情報共有をしなくてはなりません。
特に、
●なぜ今すぐにでも技術系女性管理職の存在が必要なのか
●管理職になることでもたらされるメリット
この2点を伝える必要があると考えます。

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■自分らしいキャリアアップを目指して
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技術系の企業では、まだまだ男性社員比率が8割以上、
という企業も多いことと思います。
そういった環境の中で働く技術系女性社員にとっては、
管理職としてキャリアを築いている女性ロールモデルの
存在はまだまだ希少で、もしかすると女性管理職はまだいない、
という場合もあるかもしれません。
女性社員の置かれた状況に立ってみると、
管理職になってと言われてもピンとこないのは
想像に難くないでしょう。
だからこそ、会社側として、人事として
技術系女性社員に女性管理職を目指してほしい旨を伝える時は、
・良質な情報共有(意義、メリットなどを丁寧に)
・一度でなく、必要に応じて複数回話す機会を設ける
といったことを念頭に置いていただければと思います。
さらに、
・技術系女性管理職のキャリアアップの実例
を交えた情報共有が実現すれば、女性社員自らが
「私もパイオニアとなって新しいスタイルを築いていこう」
というモチベーション醸成にもつながる可能性が
高まります。
弊社が人材育成に関わる際には、人事担当者と綿密な
打ち合わせを経て、社内と社外の両方向から
女性社員に対しての情報共有を丁寧に実施しています。
結果として、女性社員が自身のキャリアのために、
そして会社のために女性管理職になる必要性に気づき、
自律的に管理職に必要な知識を習得しようという意欲につながっています。
もし、自社が技術系の企業で、
女性社員のキャリアアップに悩んでいるといった
人事担当や管理職の方がいらっしゃいましたら、
「女性社員本人が腹落ちできる質と量の情報提供」
について実践していただくきっかけになれば幸いです。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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