「やめる」ことから始める働き方改革8選
昨年9月にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社が発表した「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」では、働き方改革を実施済または実施中の企業が、2015年調査と比較して34%から73%へと大きく変化し、今では大半の企業は働き方改革に対し、何らかのアクションをとっています(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」より、働き方改革の実施状況)。
また、同調査では、働き方改革を実施している企業のうち、「長時間労働の是正」に取り組む企業が86%、「業務の見直し」に取り組み企業が62%と過半数を占めています(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」より、実施施策)。
今回はこの長時間労働の是正と業務の見直し(業務改善)を今まで行っていた何かを「やめる」ことで実現したケースを項目別に紹介していきたいと思います。
|不必要な業務を「やめる」
業務の見直しとは、今までやっていた業務を目的と照らし合わせて、本当に必要なものなのかを判断し、必要のない作業をやめる、改善する、新しいやり方を導入することです。
〈事例1〉社内でのパワーポイントによるプレゼンをやめる/トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社を含め多くの企業では、作成に時間がかかる、効率的ではないといった理由から、社内ミーティングにおけるパワーポイントの使用を禁止しています。
〈事例2〉ロボットを導入して、人によるFAX送付作業をやめる/株式会社ウェルクス
保育士などの人材紹介などの事業を行う株式会社ウェルクスは、人材紹介で必要な大量のFAX送信等の単純作業をほぼ完全自動化することによって、月に174時間かけて行っていた業務を0分で完了することに成功しました。
〈事例3〉紙による情報伝達、管理をやめる/株式会社石崎電機製作所
株式会社石崎電機製作所では、紙ベースでの資料保管を行っていたため、たびたび資料が見つからない問題が社内で発生していました。問題を受けて「Evernote(エバーノート)」を導入し、タグ付けを行うことにより無駄な業務時間の削減を実現しました。
|時間のかかるコミュニケーションを「やめる」
社内でのコミュニケーションは非常に重要ではありますが、そのコミュニケーションだけで業務時間を割くことがないよう、より短く濃密なコミュニケーションを重視する必要があります。
〈事例4〉社内での非効率な「伝言ゲーム」をやめる/株式会社第一印刷所
株式会社第一印刷所ではビジネス版「LINE」の導入により、今まで部署間でFAXなどを使用した非効率的なコミュニケーションから一転して、30時間の残業時間の削減に成功しました。
〈事例5〉会議室でのミーティングに掛かる必要ない時間のやめる/株式会社ココナラ
株式会社ココナラでは、会議の開始時間待ちによる時間の浪費、座って話すためキリが良い時間までゆったりしてしまうなどを考慮し、執務スペースにプチミーティングスペースを設けました。
〈事例6〉大人数による新規事業の開発をやめる/株式会社ドリコム
株式会社ドリコムは、コミュニケーションが取りづらく、意見を取り入れすぎてしまい方向転換がしづらくなることから、事業開発を「プロデューサー中心」、「少数精鋭」にして、より効率良く生産性を高めています。
|時間外労働を前向きに「やめる」
長時間労働の是正として、残業を禁止にするなどを行う企業もあります。
ここでは社員のモチベーションを維持しつつ、残業禁止に取り組む企業の事例を紹介していきます。
〈事例7〉残業チケットと自社の福利厚生システムを使って残業をやめる/株式会社ピコナ
株式会社ピコナでは、月のはじめに10枚の残業を申請するためのチケットを配布しています。また、1日出社するごとに豪華景品が当たるサイコロを振るための「ピコナポイント」が1ポイントずつたまる福利厚生のシステムとあわせて、6枚使用するごとに「ピコナポイント」を5ポイントマイナスするペナルティを設けるなどして、残業時間の削減に努めています。
〈事例8〉本来残業代として支払うお金を返還するスマートワーク・チャレンジ20で時間外労働をやめる/SCSK株式会社
SCSK株式会社は、前年よりも残業を20%削減、有給休暇20日の完全取得を達成した社員に本来は残業代として支給予定だったお金をインセンティブとして支給するスマートワーク・チャレンジ20を導入し、積極的に時間外労働を減らすよう働きかけました。
|まとめ
働き方改革のために業務の見直しや長時間労働の是正をすることはとても重要なことだと考えます。
そのためには現在行っている業務で必要のないと思われるものをまず「やめてみる」ことも必要だと考えます。
一度周りを見渡してみて、身近なところから「やめる」ことで改善を試みてはいかがでしょうか。
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阿部 George 雅行(アベジョージマサユキ) 株式会社ボディチューン・パートナーズ 代表取締役
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