人事制度は三層構造(続き)
三層構造の説明をさせていただく機会が最近多いので、よい例え話はないものかと考えてみた。
とはいえ、あんまりいい例え話ではないのかもしれないけど・・・。
クルマの運転で例えてみる。
クルマの運転は、公道を走るのならば運転免許を取らねばならない。種類はいろいろあるがここではまずは普通自動車一種免許ということにしよう。
人事制度において、労働法規の遵守とか、36協定とかそういったものは、いわゆる「学科試験」の領域である。
信号や標識がわからなければ、運転してはならない。当然だ。
そして、実技がある。仮免許を経て、卒検がある。
ここが、僕が言わんとしている、第2層であり、公道に出るためには、必ず経なければならない部分だ。
で、ここが僕は、大企業でも中小企業でもベンチャーでも、機能している人事制度には必ず具備されている部分だ。
そして、そのうえで「自分らしい運転」「乗りたいクルマ」「カーライフ」・・・スポーティなクルマに乗るのか、ワンボックスか、峠を攻めるのか、街の中を走るのか・・・・。外車に乗るのか国産車か・・・・。
さらには、運転をプロとして行うためには、二種免許や大型免許などがさらにあって、レベルを上げていく。
ここが、「自分らしさ」だ。
人事制度で言えば「うちの会社らしさ」だ。
免許も持っていないのに、外車を買ってもしかたがない。走れない。
基本的な知識や技能がないのに、運転しては危険だ。「自分らしさ」は後回しだ。
人事は、これら三層を区別しなければならない。
第一層(学科試験部分)は、広く知られている。
第三層(自分らしいスタイル)は、経営理念や会社の文化、人事ポリシーに基づき、会社ごとに違ってしかるべきだ。
人事で問題なのは、第二層が認識されていないケースが多いということだ。で、ここは運転する人すべてが通る実技試験の部分であり、人事制度でも普遍的な部分なんだ。
だから多くの部分で、経営戦略がどう変化しようと変わらない部分があるってことだ。
今やろうとしている施策は、学科試験か、実技試験か、そして免許を取った後のスタイルなのか、どこにいるのか、確認しながら人事制度を作ってほしいと思う。
そう。まずは免許を取ろう。
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人事で大切なことは、各論よりもまず全体像。全体が見えてこそ、効果のある人事施策が展開できます。
上場企業人事部長経験者でなければ知りえないさまざまな実体験を元に、企業の人事機能づくりから、制度構築・運用、採用基準策定と定着対策、教育体系づくり、労務管理・規程整備に至るまで、社員の成長を高めるための人事全般のアドバイスを行っています。
西尾 太(ニシオ フトシ) フォー・ノーツ株式会社 代表取締役社長
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