逆説5, 戦略人事を目指さない
戦略とは、勝ち戦を描くことであり、競争相手との差別化要因をつくること である。人事において戦略的ということは、人の配置、育成、処遇といったも のが事業戦略の一部又は全部になっている、言いかえればその企業の人事自体 が企業競争における差別化要因になっていることを言う。
そして、逆説4にあるように、米国人材マネジメントにおける戦略人 事とは、各事業部が自ら立てた事業戦略に応じた人材を即座に配置できる人事 を行うことであり、採用や処遇を決める権限を各事業部に移譲することである。 つまり、多くの日本企業に見られる中央集権的な人事ではなく、現場による現 場のための人事をやっているのである。
これを履き違えて、従来からの中央集権的な人事でありながら、権限は渡さずに、中央にいる本社人事部門が戦略人事をやろうとしても無理な話である。 戦略人事を目指すのであれば、人事権は戦略担当部門(多くの場合は事業部長 など)に権限移譲する。そして、人事部門はそれらをサポートする環境整備に 注力するという責任と権限の見直しが必要である。
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「人事の大学」を運営する株式会社JIN-Gの社長です/
ビジネス・ブレークスルー大学で准教授も務めます/
組織人事戦略コンサルタント
・株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
・ビジネス・ブレークスルー大学経営学部グローバル経営学科准教授
三城 雄児(ミシロ ユウジ) 株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
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