研修講師を選ぶ際に、留意したい点
研修講師を選ぶ事は、とても難しい事だと感じます。
著書が多く出ているから安心とは言えません。
著名な方だから、何でも任せても大丈夫ではありません。
実績が多いからといって、当社の課題や受講生にマッチするかと言えば不安が残ります。
そこで、研修講師を選ぶ際の視点について、今後何回かに分けて綴ってみたいと思います。
私は、今まで100人以上の企業研修やコンサルティングを担う講師と仕事をしてきました。
100人も見てくると、色々な講師がおります。
キャラクターも、仕事の仕方も、もちろん講義の仕方なども千差万別です。
そして、同じ講師でも「良い時」と「悪い時」があります。
それは、社風やテーマとの相性などということもあるでしょう。
その中で
・こうした講師は、受講生に気付きやキッカケを与えられる
・アンケートも事務局評価も高い
・研修会社などのベンター・エージェントもお願いしやすい
という講師に共通するであろう要素が見えてきました。
それは、残念な講師のケースとして、「他責な発言が出てしまう講師」です。
企業研修は、ある決められた時間にある学習目標に到達するための『場』です。
事務局は、限られた予算の中から企画を練り、受講生は、忙しい仕事の最中に集合しました。
受講生の上司は、忙しい中、研修に受講生を送り込んで下さいました。
そんな状況の中、、、
講師から時々口にでてしまう残念な言葉が
「今日は時間がないから、はしょります」
という言葉。
この言葉を聞いたら、もちろん受講生は「?」と疑問に思う事もあるでしょう。
(いや、研修に飽きていて早く帰りたい方は喜ぶかな?)
事務局さんも、はしょるなら、、、
最初の企画やプログラム設計の際に調整したかった、とガッカリするでしょう。
研修会社の担当者は、「その発言は・・・」と胃が痛い想いで後でオブザーブしているかもしれません。
はしょった部分には何か重要な話やロジックがなかったのか?
あるいは、はしょるぐらいなら、最初からプログラムに入れるな!
など不安や疑問を沸かせてしまうからです。
もっと悪影響なことは
「講師もそのレベルの意識で研修講師をしているのならば・・・」
と受講生のモチベーションを下げてしまいかねないのです。
さらには、「研修時間をしっかり取らない事務局が悪いんだな」と、講師と事務局の間の調整不足が転じて社内批判へつながりかねません。
多くの研修を見てきた経験上ですが
・事実としてはしょっていても、その言葉を出さない
・はしょっていても、上手く取り回せるように
・そのような事を回避するために上手くタイムマネジメントを
と測って頂けると、安心を感じます。
私も講師をしたことがありますし、日々プロデューサーとしてクライアントさんから、短い時間で多くの事を望まれたり、当日に過大な要求を頂くことも日常茶飯事だと理解しています。
特に、受講生の上司や役員などが突然やってくると、研修会場は大騒ぎ!
おかしなところへ集中力が持って行かれることもありますね。
そのような状況で、時間が足りない!
設計していても、突発対応となって、時間が厳しい!
そんなことが良く起こるのですね。
しかし、講師という仕事は、そのスキルや伝える事よりも「存在」そのものが講師である、と大前提として考えます。
言い方を変えれば、「良い見本」「ロールモデル」ですね。
だからこそ、時間がなくなった、そもそも時間をもらえていないとしても、自分自身の責任として、「はしょる」発言や「はしょった」講義運営を減らして頂ければ、と切に感じます。
・研修会場(環境)の責にする
・準備期間の短さの責にする
・はたまた受講生の参加意欲の責にする
ついつい、他責にしたい気持ちはよく分かりますが、講師という仕事の、最大の使命!
それは、あり方=存在であること
に立ち返って頂くと、自責を大事にしていただけるのかな、と思うのです。
そう、これが講師を選ぶ際の1つの視点なのではないか、と考えております。
- モチベーション・組織活性化
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- ロジカルシンキング・課題解決
- 営業・接客・CS
大手企業を中心に人材育成・イノベーション開発の支援を行う。「人と組織の発酵を促す」をコンセプトに学びの設計、制度設計、アライアンス支援を行う
人材育成業界20年弱、1000名程の講師と会ってきた経験、多くの研修設計をしてきた経験から、人材育成目的ではなく、クライアントの課題解決視点での人材育成を行う。著書に「研修講師が企業・研修会社から”選ばれる力”」(同文館)がある
原 佳弘(ハラ ヨシヒロ) Brew株式会社 代表取締役 中小企業診断士/PDCFAインストラクター
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