カミングアウトから見える職場の課題 LGBTQ受容と共感
近年、同性恋愛を題材にしたドラマやキャラクターが増えてきています。ニュースやバラエティー番組でも「LGBTQ」の言葉をよく聞くようになり、セクシャル・マイノリティの認知度が高まっているのを感じます。
国外ではLGBTQフレンドリーとしてサポートを表明する企業も増えていて、全ての人が自身らしくいられる環境づくりが進んでいます。
日本企業でも徐々に取り組みが始まっているものの、具体的な対応に至る以前の啓蒙もまだまだ十分でないのが現状です。
LGBTQ社員が遭遇する困難
皆さんは、当事者が実際に遭遇する困難について考えたことはあるでしょうか。公共施設のトイレや銭湯・温泉、書類に記載する性別、法律や制度など、日常生活のなかに多くの迷いが生じます。
もちろん、私たちが思いつくこと以外にも、さらに多くの苦痛や困難を日々感じているはずです。これは社会全般的な問題ですが、今回は、場面を職場に絞って現状を考えてみたいと思います。
最近はLGBTQをカミングアウトしているタレントが各メディアで活躍しています。そうしたタレントの方々が、時に自身のマイノリティ性を自虐的に話している場面を目にすることがあります。しかし、これはタレントとして番組を盛り上げるために身を削ってしていることです。
間違えても「職場にいる当事者にもこれを言って大丈夫なんだ」と勘違いをしてはいけません。ですが、メディアでのやり取りの“ノリ”のまま、「私を好きにならないでね」「異性を好きにならないなんて考えられない」といった言葉で、相手を傷つけてしまう現状があるのも事実です。
この時の当事者の気持ちを推し量るには、自分が好きな事や好きな人を否定されたときの気持ちになってみることが最もわかりやすいのではないでしょうか。
たとえ悪気はなかったとしても、その一言が相手を傷つけ、ハラスメントやいじめに繋がる自覚を職場の全員が持つ必要があります。
ちなみに、これは職場に当事者がいる・いないにかかわらず必要な観点です。
さて、上記は職場に「当事者がいる」ことを知っている前提での話です。現段階で自身の職場に当事者はいないと思っていても、職場の状況からカミングアウトの判断をしていないだけなのかもしれません。
厚生労働省の「職場におけるダイバーシティ推進事業報告書」では、約8割の当事者が職場にカミングアウトができない状況であることがわかっています。
その理由として、「受け入れてもらえない」「ハラスメント被害にあった経験がある」「アウティング(望んでいないの勝手に他者にカミングアウト)されてしまう不安がある」といったことが挙げられます。
カミングアウトしてくれた時
当事者からすると、カミングアウトはとても勇気がいることです。上記のような不安を抱えているのですから当然です。
そのため、カミングアウトをした後でも安心して仕事を続けられるように、啓蒙活動を推進し、職場の認識を合わせておくことがベストです。
誰が、いつカミングアウトするのかはわからないので、過剰に反応をしないように知識を深め、心構えをしておく必要があります。
カミングアウトを受けたら、
「話してくれてありがとう」
「他の人には話さないから安心してください」
「困っていることはない?」
など、プライバシーの保護を配慮したうえで、当事者が職場で困っている事はないか、その困り事を改善するためにできることはないか確認します。
相手の気持ちや考えを尊重して、これまでと変わらない公平な接し方を心がけ、全ての社員が気持ちよく働ける職場を作っていきましょう。
いかがだったでしょうか。
ダイバーシティの推進が課題の日本企業、LGBTQを受け入れることができない人もいるかもしれません。しかし、だからといって不要に相手を傷つけるような言動はすべきではありません。受け入れられないとしても理解することはできるはずです。
私の一意見として、LGBTQだから配慮するという考えで対策を講じるのは、まだまだ改善が必要だと感じます。
特別視するのではなく、職場の全員が異性愛者も同性愛者もいて当たり前だという認識を持って、毎日を過ごせる状態を目指していきましょう。
- リーダーシップ
- マネジメント
- コミュニケーション
- ロジカルシンキング・課題解決
- ビジネスマナー・基礎
"真面目に楽しい教育"を得意とする人材育成コンサルティング会社
まるで、夢中で遊ぶ子供のように社会人が夢中になれる研修を…
私たちは「真面目に楽しい教育の創造」をミッションに掲げ、“真面目”すぎず、“楽し”すぎない教育(研修)を創造し、人々の成長に貢献します。
株式会社ヒップスターゲート(カブシキガイシャヒップスターゲート) 株式会社ヒップスターゲート
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 渋谷区 |