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時間外労働上限規制の中で、建設技術者をどう育てるのか?(3)

時間外労働上限規制の中で、建設技術者をどう育てるのか?(3)

-建設業の技術的な知識やノウハウを集合研修・講習で養成しよう-

 

前回の記事と前々回の記事「時間外労働上限規制の中で、技術者をどう育てるのか?(1)(2)」では、建設業において2024年4月から時間外労働の上限規制が適応され、現場巡回や工事書類作成などの現場監督業務をこなすだけでも時間が足りないのに、その中でどのようにOJT(建設現場での技術者育成)を両立させるかということについてお伝えしました。そして、それを支援する仕組みとして、建設業に特化したスキルマップの作成と技術を知識と技能に分解して言語化する誰にもわかりやすい伝承方法を提案しました。

これらは、OJT支援の仕組みとして非常に有効ですが、建設技術者の育成はOJTのみで達成できるものではありません。Off-JT(集合教育、オンライン教育)も合わせて実施しないと、着実に技術者を育成することは難しいです。その理由としては、OJTにもOff-JTにも長所と短所があるからです。OJTは、その時その場で必要な技術を教えてもらえる長所がある反面、教える人と配置される現場に拠って大きな偏りがでる短所もあります。これについては、指導される側の新人・若手にとっては自分ではどうすることもできないため、是正すべき不公平です。対してOff-JTは、個人に最適化された教育は難しい反面、自社の技術者として最低限身に付けるべき技術を等しく養成することができます。

OJTとOff-JTはどちらかではなく、どちらも適切に組み合わせて実施すべきものといえます。よって今回は、建設技術者の新人と若手向けに、実施すべきOff-JTを提案します。

 

“新人”建設技術者向け集合教育(企業研修、外部講習など)

新入社員向けの教育としては、次のような基本的なものが推奨されます。新入社員の場合は、技術者(施工管理職、設計職等)に限らず、工務職や事務職も同じ教育を行うことが多いです。(1)と(2)は現場配属前の実施が推奨されます。

 

1.土木工事・建築工事・設備工事の基礎研修

新入社員研修でまず挙がるのは、土木工事、建築工事、設備工事の流れを一通り教えるものです。採用難で、土木や建築等のいわゆる指定学科卒ではない学生の入社が増えるため、年々この需要は高まっています。また、建築学科卒で建築工事部に配属されても、設備工事について理解が不十分。事務職でも、工務業務に関与するため、工事に最低限の理解は必要などの理由で実施されることもあります。

 

2.建設現場のQCDSE管理入門研修


現場管理とは、品質(Q)・原価(C)・工程(D)・安全(S)・環境(E)の5大項目を管理することです。そして、これらQCDSE管理について、基礎的な理解を図ることが求められます。具体的内容としては、QCDSE管理のPDCAサイクルを理解することです。

これらを理解しておけば、現場配属後に、先読みした行動をとる助けになります。例えば、先輩からコンクリートの出来形を検査するよう指示された場合、まずこれがQ:環境管理のC:評価であることが判別できます。次に、評価項目や基準値などはP:計画で定められ、施工計画書にそれが記されていることもわかるため、先輩に聞かなくても自ら主体的に行動できます。

1度研修を受けただけであらゆる業務の先読み行動ができるようになるわけではありませんが、所長や先輩の指示の内容が全く理解できない状態で現場に放り出されると、指示される度にビクビク、ドキドキし、この負担に耐えられず辞めてしまう新人は少なくありません。指示内容がQCDSEのPDCAのどれに該当するのか、これを理解しているだけでも負担は大きく軽減されるため、できれば配属前に会社が提供すべき教育といえます。

 

3.建築士・施工管理技士の資格試験対策講習

建築士や施工管理技士の受験要件が緩和され、実務経験なく1次検定を受講できるようになりました。そのため、早期に1次検定の合格を目指す会社が増えてきています。その理由は様々ありますが、最近よく聞くのが離職の抑制です。建設業の入社3年後の離職率は約3~4割と高いですが、資格を取得すると数値が低下する傾向があるようです。

指定学科以外の採用が増え、その方たちは試験の問題が何を意味しているのかがわからない、例えば「鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。」と問われても、鉄骨構造がわからないということがあるため、(1)の研修の後に、試験勉強をするという例もよく見られます。

 

“若手(2-5年目)”建設技術者向け集合教育(企業研修、外部講習など)

若手技術者向けの教育としては、次のようなより実務に即した教育が推奨されます。より技術的な内容となるため、教えられる人が限られますし、教え方のわかりやすさ等も求められます。

 

1.建設現場のQCDSE管理研修

新人向けの研修は最初の理解を図るもののため、QCDSE管理のPDCAサイクルを1日ですべて行います。対して若手向けでは、5大項目毎に個別に1日つかい、基礎的知識から、実際に業務に役立つ手法などを教育します。

各研修内容を例示すると下記のとおりです。

品質管理…コンクリートの材料・性質、配合計画、強度試験など
原価管理…PL表、歩掛に基づく労務費の算出、実行予算書の作成など
工程管理…歩掛に基づく工数の算出、工程表の作成、原価と工程の関係など
安全管理…建設現場の安全衛生管理体制、労災の事例研究、リスクアセスメントなど
環境管理…資材のリサイクル、産業廃棄物処理、アスベストなど

 

2.施工図の確認・作成研修

施工図の確認や作成は、現場で必須の業務といえます。しかし、習得するにはそれなりの経験と時間がかかります。現場で1から教えることは非常に困難ですが、最初に基礎的な知識や手法を教わると、習得が速まります。

研修内容としては、凡例と記号の理解や見上図・断面図などを実際に読んでみる、書いてみる等が一般的です。読む方と書く方のいずれに注力するかは、会社の業務内容によります。

 

3.建設業法等関連法規研修

建設業法、労働安全衛生法、労働基準法などの関連法規の研修はコンプライアンスの観点から、全社員受講を必須とする会社が多くあります。契約違反や労働災害等を起こさないようにするには、各人の意識や注意を喚起するだけでは不十分であり、一定の知識がなければ適切に予防できません。また仮に労災等が起きた際、もしこれらの研修を行っていない場合、企業の姿勢が問われます。

最近は施工管理業務がデジタル化され、システム上の項目に記入するだけで、また書類をアップロードするだけで業務を処理することができます。便利ですが、この書類が何の法律を根拠に作成・提出が必要なものかを、理解しなくてもできてしまうという負の捉え方もできます。顧客から工事を請け負うプロフェッショナルである以上、また会社を代表する現場代理人である以上、自分の業務に関連する法律を知らないでは済まされません。よって、早いうちに体系的な知識を備え、実務と法律を関連付ける習慣を身に付けることが望まれます。

 

以上のとおり、建設技術者を着実に育成するには、OJT(現場教育)だけでなく、Off-JT(集合研修・講習)も合わせて行う必要があります。しかし、社内で集合教育に充てる人がいない、教材がない、うまく教えられないなどの事情で、必要性を理解していても実施できていない会社も多くあると思われます。そのような場合、外部講習や建設技術に特化した研修会社なども複数ありますので、それらを利用するのも一つの方法です。また、最近YoutubeやInstagram等に、様々な工種の工事場面の動画や、法改正の解説などが掲載されていますので、特に若い方はそれらを学びのきっかけとするのもよいでしょう。

 

コンサルタント紹介

片桐雄佑 (かたぎり ゆう)

株式会社日本コンサルタントグループ 建設産業研究所 コンサルタント

千葉大学大学院修了。家具の製造・販売や内装工事を扱う会社にて、設計職と事業企画職を担当。その後ベンチャー企業の経営企画を経て、現職。現在は建設会社を主な顧客とし、経営計画の策定、業務改善、人材育成などを支援する。

最近の担当実績

小規模電気工事会社 経営再建計画の策定
地場ゼネコン 中期経営計画の作成と実行支援
大手ゼネコン 工事現場業務のDX支援
大手設備工事会社 人事制度の改定
大手ゼネコン 人材育成体系・教育プログラムの設計

  • 経営戦略・経営管理
  • 人事考課・目標管理
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • 営業・接客・CS

弊社は67年の歴史を持ち、創業以来、常にクライアントに寄り添ったPractical Consultingサービスを提供し続けてきた企業です。

◎経営機能に業界特性を織り交ぜた実践・実務的なコンサルティング
◎人材を軸にした、新しい価値形成を図るコンサルティングサービス
◎クライアントニーズに対応する幅広いコンサルティングサービス体制

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