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専門家コラム

非医療施設の復職支援と精神障害者の就労支援について②

弊社アドバイザー大西守が、厚生労働省労災疾病臨床研究事業にて、
「精神疾患により長期療養する労働者の病状の的確な把握方法及び治ゆに係る臨床研究」
の分担研究報告書をまとめました。

この調査研究に、弊社コラボレーターらも、研究協力者として参画しましたので、
前回のコラムでは、地域障害者職業センターの調査結果についてご紹介しました。
今回のコラムは引き続き、ハローワークの調査結果についてご紹介いたします。

 

【ハローワーク】

ハローワークにおける精神障害者の求職登録者は、他の障害に比べ顕著な増加傾向にあります。
登録者の主診断名が「うつ病・躁うつ病」が45%と最も多く、
前職がない登録者が12%という結果から、
前職でうつ病等を発症して離職した労働者が、
精神障害者保健福祉手帳を取得し、再就職を目指すケースが増加している背景がうかがえます。

 

トライアル雇用制度は、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的とされた制度であるが、
精神障害者で本制度を活用している平均割合は15%で、十分活用できていない実態がうかがえます。

また、トライアル雇用後に就職できなかった要因の上位3項目が
「症状の悪化」「業務の難易度」「業務とのミスマッチ」となっているのに対し、
就職後の定着困難要因の上位が、
「症状の悪化」「職場の人間関係」「本人のコミュニケーション能力」という結果から、
双方の共通要因となっている「症状の悪化」に次ぐ要因に相違が出ているのが特徴です。

これは、雇用期間の経過と共に、職場の人間関係にまつわる課題に移行している状況が推察されます。
この一連の結果から、就労前に、求職者に対しては、
就労に耐えられる準備活動の取り組みや健康維持のためのセルフケア教育を行い、
就労後、事業所に対しては、本人の適正に合った業務アサインと職場内での対人関係のサポートを行うことが、
定着率を上げる鍵となることが考えられます。

 

【まとめ】

地域障害者職業センターにおける復職支援と、ハローワーク専門部門における就労支援では、
精神障害者の利用が他障害と比較して、顕著に増加していることが認められます。
主要疾患としては、うつ病・躁うつ病が統合失調症を上回り、
さらに、背景に発達障害の可能性を勘案すると、従来と異なる対応方法の必要性も考えられます。


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コラム執筆者
中田 貴晃
中田 貴晃(ナカダ ヨシアキ)
パートナー、エグゼクティブコラボレータ―
臨床心理士/精神保健福祉士/社会福祉士/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
2009年度日本うつ病学会奨励賞受賞
精神科クリニック、障害者職業総合センター等で集団精神療法、デイケア、就労支援の他、スクールカウンセラー、千葉県医療技術大学校非常勤講師、千葉県庁健康管理室相談員を歴任。その後、EAP事業会社にて復職支援を中心にメンタルヘルス対策支援に従事。
得意分野 安全衛生・メンタルヘルス、その他
対応エリア 関東(茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県)
所在地 東京都/渋谷区

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