障がい者の就労定着支援としてのSST②
今回のコラムでは、障がい者の就労定着支援として実践しているSSTを紹介したいと思います。
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、日常生活の具体的場面を設定し、
ロールプレイを通じて、より望ましいコミュニケーションスタイルを習得するための
訓練をしていきます。就労を目的としたSSTでは、「電話対応」「仕事の依頼の仕方」
「ミスをした時の対応」など、職場で起こり得る場面を実際に練習し、「できていること」と
「改善点」を参加者同士で出し合い、リハーサル練習と観察を繰り返しながら
スキルアップをはかっていきます。
SSTでは、参加者がお互いのよいところを見つけるというグランドルールがあるため、
自他のポジティブな側面を見つけていく姿勢が培われていきます。練習の場という
位置づけで行うことで安心して失敗でき、失敗を通じてスキルアップし、その際に更に
ポジティブフィードバックを受けることで、コミュニケーションスキルが段階的に
向上されていきます。このプロセスを経験することで自己効力感も高まり、就労意欲や
チームワークの醸成につながっていくという副次的な効果を出している企業もあります。
平成25年度の厚生労働省の障害者雇用実態調査によれば、障害のある被雇用者に対して
「研修・職業訓練等能力開発機会の提供」を実施している事業所の割合は約5%で、
障がい者に対して教育環境を提供する事業所は非常に少ないのが実情です。
知的障がい者や精神障がい者のように、コミュニケーション上の課題を抱えやすい特性を
考慮した場合、職場という環境下で必要となるコミュニケーションスキルの向上を目指した
「学びと成長の場」は、持続的就労と雇用管理の負担の軽減につながる大切な取り組みに
なっていくのではないかと思います。
◆ お知らせ
この度、企業における障がい者雇用に関する、人事担当者様向けのセミナーを開催いたします。
____________________________
1月22日(金)15:30~17:00
【障がい者雇用対応 人事担当者向け 無料セミナー】
障がい者の受け入れ態勢に、不安はありませんか?
~精神障害者の雇用支援で、企業に押さえてもらいたいこと~
____________________________
セミナー詳細は、以下よりご確認ください。
http://jinjibu.jp/seminar/detl/33733/
障がい者雇用に関して、お困りの点がございましたら、この機会に、是非ご参加をご検討ください。
- 安全衛生・メンタルヘルス
- 人材採用
- マネジメント
- その他
公認心理師/臨床心理士/シニア産業カウンセラー
【専門領域】障がい者雇用の企業支援、精神障がい者の採用・定着・育成支援
精神科・心療内科クリニックにて、医師との協働で会社員のメンタルヘルス相談等に関与。EAP事業会社にて企業のメンタルヘルス支援に従事。現在は、企業の人事部門に対する障がい者雇用のコンサルテーション、精神障がい者の現場管理職・本人支援を実施。
諏訪 裕子(スワ ユウコ) シニアコラボレータ―
対応エリア | 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県) |
---|---|
所在地 | 渋谷区 |