新入社員に伝えたいこと!~スキルを意識して仕事を学ぶ
〇新入社員の皆様に伝えたいこと
(企業の人材育成担当者の皆様へ、新入社員を早期に退職させないために)
新入社員研修の季節が、今年もやってきました。
長年手掛けている業界団体の新入社員の合同研修では、毎年連続して、かれこれ10年以上、私の指導する新入社員研修を受講してくださっている企業が多くあります。人事部門の担当者の方々は、大変ありがたいことに、「この新入社員研修を受けさせるようになって、新入社員の離職率が下がった」「お陰様で、よい社員として、スクスク育っています」といったお声をいただき、うれしい限りです。
無論、ありきたりの新入社員研修でなく、仕事のおもしろさや醍醐味が感じられるよう、創意工夫した研修内容にしていることもありますが、それより、ずっと大切なのは、新入社員の皆様に、『仕事の学び方』を伝授することなのです。
教育工学の観点から考察すれば、教える側がいくら熱心に教えたとしても、学び手の『内発的動機』が高まらなければ、学習効果は上がりません。学び手には、“学習方略”が必要なわけですから、学び方を教えなくてはなりません。
その中の一つとして、私が新入社員にお伝えしていることに、「スキルを意識して仕事を学ぶ」ということがあります。
多くの大学生が、期待に胸を膨らませて入社して、わずか数日で、思い描いていた仕事や社風とのギャップを感じ、モチベーションが下がり、最悪の場合には、まもなく退社してしまうという現実を目の当たりにしてきて、何とかこれを防ぐことができないかと、試行錯誤した苦肉の策として、彼らに学び方ならぬ、処世術ともいえる、「仕事の習得の仕方」を教えているのです。
具体的には、例えば、営業会社で、旧態依然とした古いスタイルの営業方法を指導されたとしましょう。ITリテラシーの高い新入社員は、現実とのジレンマ(もし、自分が顧客なら、そんな営業をされたら、契約等しない…等)を感じます。そこで、新入社員にお教えするのは、「その目の前の仕事をのものでなく、その仕事やその教えられた方法で、どのような“スキル“を修得できるかに、フォーカスしてみる」ということです。営業なら、“対人折衝能力”というスキルや、“コミュニケーションスキル”などのスキルが、それらに該当します。
このように、目の前の仕事を、生涯活用でき、他社でも活用できる「ポータブルスキル」として、仕事をしながら修得できるスキルを抽象化することで、彼らが「こんな会社に就職して、しまったことをした」「辞めてしまいたい」等といった、短絡的な気持ちになることを防ぐ効果が期待できます。
この方法を修得して、彼らが、仕事を俯瞰したり抽象化し、自らが習得できるスキルとして捉えることができれば、たとえ1分でも、社会人として学ぶ時間を無駄にすることなく、(どのような会社に、就職・転職したとしても)効果的に学ぶことができるのです。また、入社してしばらく働くうちに、入社当初見えていた企業のネガティブな部分でなく、企業や先輩の良い部分や素晴らしさを見出すことができ、本人にとっても、多面的な見方・捉え方ができる、よい経験やそれ自身が貴重なポータブルスキルとなりうるわけです。
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全能連マネジメントアワード「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を受賞!暗黙知を形式知化するナレッジマネジメントで計1500社の人材育成に貢献
ジョブ制・テレワーク導入が急速に進ぬ中、人材のノウハウ・ナレッジの見える化・企業や組織での共有化・蓄積は必須です。
仕事ができる人材の思考プロセスを見える化・形式知化し、人・チームの育成に活用即戦力化します。特許庁、経済産業省の業務も受託。
田原 祐子(タハラ ユウコ) 株式会社ベーシック代表取締役(社会構想大学院大学教授)上場企業社外取締役監査等委員
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