1on1が上手くいかない?部下の頭を整理するスキルの必要性
今、多くの企業で1on1が実施されています。
上司とメンバーで定期的に30分~1時間程度の時間をとり、状況を確認し、次に向けた行動を支援する。
コロナ禍において社内のコミュニケーションが希薄化する中で、1on1の重要性が上がってきました。
すでに多くの企業で1on1に関するトレーニングも実施されており、
その取り組みが定着したきたという声も聞くようになりました。
その一方で、「1on1がうまくいかない。」「効果が出ず、形式的な取り組みになってしまっている。」という声も根強いです。
今回は、その原因を考えてみたいと思います。
よく言われることは、上司に聞く姿勢がなく、メンバーが話すようにならないというもの。
確かに、聞く耳を持たない上司であれば相談する気も起きないものです。
そこで、1on1研修では傾聴のスキルを身につけることが重要視されます。
しかし、1on1がうまくいかない理由は、傾聴のスキルだけの話だろうか?
私は、1on1がうまくいかない理由はそれ以外にあると考えています。
それが「相手の頭を整理するコミュニケーションスキル」の欠如です。
相手の頭を整理するコミュニケーションスキルとは何か?
上司が持つべきスキルをマトリクスにして整理してみよう。
・縦軸は「誰のために考えるのか」を表しています。
自分のためなのか?メンバーのためのか?1on1においては、上司はメンバー(相手)のために考えます。
・横軸は「どんなテーマに関して考えるか」を表しています。
仕事のことか?キャリア・働き方のことか?現在、1on1で会話されることの多くは、「キャリアや働き方」である。
「キャリアや働き方」は重要であるが、メンバーの内面に対する支援であるため、難易度は高いです。
つまり、現在、1on1で会話される内容はマトリクスの右下「メンバーのこと×キャリア・働き方」である。
メンバーの価値観など深い理解が求められます。
深い内容に関して会話をするためには、メンバーから相談をしたい上司と思ってもらう必要がありますが、
そういった関係性を築くことができてないことが多いです。
その原因は、日頃のコミュニケーションがうまくいっていないことにあります。
マトリクスの右上にある「メンバーのこと×仕事」である。
メンバーからの日頃の相談に対して、
上司がしっかりとコミュニケーションを行っているだろうか。
メンバーがどうすればよいか「分からないこと」を、
コミュニケーションを通じて「分かった」状態へ変化させることが上司の役割である。
これが、上司とメンバーの一番の根幹をなすコミュニケーションである。
実際、出来ているだろうか。
・上司は、メンバーに完璧なアウトプットばかり求めていないだろうか?
・上司は、メンバーと一緒に考えることができているだろうか?
・上司が、自らが考えてしまって結論を教えてしまっていないだろうか?
これでは、ダメです。
上司がメンバーと一緒に考えながら、相手の頭を整理するコミュニケーションスキルを持たなければなりません。
上司と部下のコミュニケーションの基本は仕事を通じての会話である。
メンバーが困っていることをいかに助けるか。
そのスキルを身につけていないと、いくら1on1の研修を受けて傾聴のスキルを身につけても効果が出ません。
今回は、1on1がうまくいかない理由として、
相手の頭を整理するコミュニケーションスキルの必要性についてまとめました。
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和田 史子(ワダ フミコ) 株式会社スキルベース 代表取締役
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