【派遣契約 電磁化解禁】製造業でシステムが浸透しなかった理由
2021年1月の派遣法改正で派遣(個別)契約の電磁化が認められたこともあり、対応を検討している派遣先企業様が増えています。
昨年1度目の緊急事態宣言発令下、出社制限が進む中、書類にハンコを押すために出勤する人が後を絶たず、そんな必要はないのでは?という世論が強まりました。
その後6月に内閣府から発出された押印に関するQ&Aにも、ログインIDや日時のログが残るシステムで締結されたものであれば、押印がなくとも契約成立の真正を証明できると記載されており、各所でペーパーレス化・デジタル化が進んだことも影響しているかもしれません。
「電磁化」と言っても、「紙の代わりにデータをメール送付する」ではあまり意味がありません。効率化や更なる効果を出すのであれば、やはり何らかのシステム化を前提に考える必要があります。
これまでも、技術系やオフィス系の派遣では、派遣元・先間でのシステム上のやり取りが進んできました。
ただ、なぜか製造派遣には浸透しなかった・・・。その理由をクリアしなければ、たとえ電磁化しても、メリットを得られないのではと考えます。
製造派遣に、契約の電磁化が浸透・定着しなかった理由
- 技術・事務系に比べて契約期間が短い(頻繁に更新がある)
- 1職種に対し、多数の派遣元から同条件のスタッフが大勢在籍している
- 指揮命令者の異動などで、記載事項の変更が多い
- 人員の出入りが頻繁
- 上記の理由もあり、派遣元からの遅延や記載ミスが多い
結果、目視で確認することが多くなり、紙のほうが見やすい、となるのだと思います。
ただ、全くやる術がないのでしょうか?
契約期間が短いことや、同職種同条件スタッフが多いことは、製造業の特性上どうにもできません。
しかし同条件のスタッフの契約内容が一緒なら、一つの契約にまとめることもできます。→更新処理やチェックも一回で済むので、更新が多くても手数を抑えることができるでしょう。
担当者の異動・変更が多いことや人員の出入りが多いことも、契約書の遅延や記載ミスにつながっていると思われますが、担当者の異動情報を派遣先が管理し、簡単に契約情報に反映させられれば、ミスの削減にも繋がります。
つまり製造業において、派遣契約帳票の電磁化を進めるのであればその特性をつかみ、電磁化することで成し得たいこと、
A.「紙保管をなくし、スペース含めた保管・書類検索の煩雑さを回避」
B.「書類のチェック、修正作業の回避」
大きく分けてこの二つをどれだけ満たせるかが、システム利用の判断ポイントの1つになるでしょう。
ほかにも派遣業務では、様々・複雑な情報のやり取りが行われます。
せっかく派遣元様からの協力を得て、電磁化する(システムを導入する)のであれば、契約書以外の記録や企業間のやり取りもシステム上で管理できること、必要に応じて帳票出力できることも重要です。
情報共有をスムーズにできることで、抜け・漏れ・齟齬がなくなり、全体のマネジメントがうまく進むことにつながるのではないでしょうか?
皆様におかれましても是非一度、システム導入をご検討されてはいかがでしょうか。
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