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みのりセミナー「ジョブに基づく人事制度の全体像」開催結果報告

みのりセミナー「ジョブに基づく人事制度の全体像~企業理念・経営戦略を実現させるための人材マネジメントシステム~」開催結果報告

 

2024年5月24日(金)13:30より15:00まで掲題セミナーを開催致しました。参加頂いた方々には改めてお礼申し上げます。昨年は案件が重なりセミナー開催を見送りましたので、1年ぶりの開催となりましたが、多数の方にご参加頂き改めて役割に基づいた人事制度への関心の高さを感じさせられました。参加された企業の方々は役割に基づく人事制度の導入を考えられている方々でしたので、反応に真剣さが感じられました。

 

ここ数年は「ジョブ型人事」という言葉が新聞・雑誌紙上を賑わせていますので、注目度は高まってきていますが、実態を見ると本来あるべき姿からは程遠いと言わざるを得ません。冒頭「ジョブ型人事と言われるものの誤解」と題して現在行われている議論の問題点を指摘したうえで、本来あるべき姿としての「ジョブに基づく人事制度」の全体像の説明に重点を置いたセミナーとなりました。たまたま筆者が参加した厚生労働省の「これからの労働基準法制に関する検討状況について」と題する説明会で、「新しい時代の働き方に関する研究会」の内容について聞く機会がありましたので、そこでの検討内容に触れその誤解の一端に触れました。研究会の趣旨・目的の中で「人口構造の変化等の経済社会の潮流、技術革新による産業構造の転換、新たな働き方の拡大等を踏まえ、これからの新しい時代の働き方を構想し、働く方の働き甲斐を促進していくため、組織と個人の働く関係を捉え直す機会が到来している。」(太字筆者)との認識が示されています。しかし残念ながらその根幹である「ジョブ(職務・役割)」が検討対象とはなっておらず、海外での実態とは異なり日本での賃金統計が相変わらず「年齢・性別・学歴」を基準として公表されていることに対する問題意識は希薄であると言わざるを得ませんでした。本セミナーでは人事制度の根幹は「ジョブ(職務・役割)」であるという視点を改めて強調させて頂きました。

 

みのりは創立以来「ジョブ(職務・役割)」に基づく人事制度の基本的な特徴に関して情報発信してきましたが、まだまだ理解が行き届いておらず、我々の情報発信の力不足を感じさせられました。人事制度として給与等級を作ることは理解されていますが、その等級の基盤が「ジョブ(職務・役割)」にあることが理解されていないことが多いのです。日本的な人事制度では社員の「年齢・性別・在籍年数・能力」などの属人的な要素で等級を決めることが当たり前化していて、考えることさえ放棄されているのかも知れません。しかし会社は共同体ではなく、市場において顧客に製品・サービスを提供して利益を得る機能体として捉えれば、社員の処遇を決める等級が機能体を支える仕事・役割に基づくのは当然の理屈です。また金銭的報酬も基本的にはその社員に求められる「ジョブ(職務・役割)」をどの程度果たしたかで決まるのであって、その社員の属性そのもので決まるのではないのです。多様性の重要性が強調されるこの頃ですが、重要なのは多様な社員がそれぞれの特性を生かして、会社の業績向上に貢献することです。機能体としての組織では、多様性そのものがそれ自体で処遇の基準となるのではなく、求められる「ジョブ(職務・役割)」という基盤があって初めてその多様性の評価が可能となるのです。人事制度における等級は人の序列ではなく、仕事・役割の序列であることを経営者・社員とも認識すべきだと考えています。この点を改めて強調したセミナーでした。

 

ここ何年かはセミナーを通じて役割に基づく人事制度構築を始められる企業もあり、会社の業績向上・社員の動機付け向上に確かな手ごたえを感じて頂けているようです。まだまだ力不足で、多くの企業の方がそのような方向に進んでいるとは言い難いのですが、少しずつでも理解を深めて頂き、良い方向に人事制度を検討・構築されるお手伝いをしていきたいと考えています。この秋には今回の全体像の理解を前提として、もう少し踏み込んで「ジョブ(職務・役割)」の定義の仕方とそれに基づくその重要度の評価、できればそこからどのように等級を作るかというところまで解説したいと考えています。ご興味おありの方は是非参加して頂きたいと思います。

  • 経営戦略・経営管理
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組織/人事/戦略分野を中心に25年以上の豊富なコンサルティング経験

秋山 健一郎(アキヤマ ケンイチロウ) 株式会社みのり経営研究所 代表取締役

秋山 健一郎
対応エリア 全国
所在地 港区

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