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ジョブ型雇用導入のための職務の明確化ージョブ型雇用への道筋ー

前週(2024年2月5日)に続く「ジョブ型雇用導入のための職務の明確化」の第3回目です。2020年10月のみのり経営研究所ホームページ掲載コラムを一部修正の上ここにご紹介させていただきます。同年の日経新聞の記事「ジョブ型雇用への道筋」と題する記事に対して、「人事管理の基本構造を決める基準」という視点からコメントさせて頂いています。少し古くなりますが、参考まで是非ご一読ください。

 

ジョブ型雇用導入のための職務の明確化(3)

ーージョブ型雇用への道筋ーー

2020年10月8日付の日経新聞のOpinion欄に「ジョブ型雇用への道筋は」と題して4人の方々が「ジョブ型雇用」の普及に向けた課題について論じている。それぞれ大変示唆に富んだ内容で参考になる。このコラムでは「人事管理の基本構造を決める基準」という視点から各氏の発言に触れてみたい。

 

一人目は三菱ケミカルHD社長の越智仁氏である。既に三菱ケミカルでは4000人の管理職を対象としてジョブ型雇用を導入したとのことで大変興味深い。「あらゆる仕事でプロフェッショナルが必要になる。労働時間や勤続年数でなく、成果に応じて対価を支払うジョブ型が適している」と述べられている。この通りだと思う。但しその時「カギを握るのは中間管理職」、「中堅や若手のアイデアを採用していくリーダーシップが必要」で「成長機会を提供できる人事制度を作っていけるかが企業の競争力を左右する」と結ばれている。「成果に応じて対価を支払うジョブ型」を中心に据えた人事制度を導入されたのであれば、人事管理の基本構造を「ジョブ」(仕事・役割)にしたと理解できる。ジョブが明確に定義されていれば、中間管理職も定義に基づいた職務遂行が求められるだけであり、カギを握るとすれば、中間管理職が定義通りやれているかどうかを判定するその上の経営層であると言える。また「中堅や若手のアイデアを採用していくリーダーシップ」は明確化された「ジョブ」の定義に盛り込まれているべきもので、ここでジョブとは別の基準を設けるようなことは、ジョブ型雇用の人事管理システムとは言い難い。ジョブの明確化のための考え方・手法・技術への理解が進めば、このような人事管理の基本構造を決める基準に曖昧さはなくなっていくと考えられる。

 

二人目は経営共創基盤グループ会長の冨山和彦氏である。「産業の新陳代謝が激しくなるなか、1つの会社がジョブを守り切ることは難しい。企業間の労働移動を促し、転職した場合でも給料が減らずに公正な評価が得られるようにすることが重要だ」と述べられている。流石に企業再生に携わってきた方らしい慧眼である。ただ「現在は『GAFA』に代表される知的生産物を生み出すビジネスモデルが主流となった。企業の形も強い『個』を軸にしたものに変わっていく。必然的にジョブ型にならざるを得ない」と発言されておられるが、ジョブ型雇用と強い『個』を結びつける必然性はない。様々な企業があるので、「強い個」を基準とする人事管理の構築を希望する企業があることは否定しない。しかしもっと地道にものづくりを進めたいと考える企業、あるいはチームで仕事を進めて行きたい企業もある。それらの企業においてもジョブ型の人事制度は力を発揮する。そのような経営の意図をジョブに盛り込んでいけばよいのである。この場合もジョブの明確化の手法がものを言うことになる。

 

3番目はリンクトイン日本代表の村上臣氏である。「年功序列や年次主義など不透明な評価基準が文化として残ってしまえば、グローバルの転職市場で日本企業は優秀な人材を獲得できない。それどころか海外企業と同じようにジョブ型で働く人が増えると、優秀な日本人が評価基準が透明な海外企業に流出しかねない。企業は形だけジョブ型にするのではなく、企業と従業員がフェアな関係になるような透明性の高い人事制度の構築が不可欠だ」と述べられている。その通りだと思う。人事管理の基本構造を決める基準を明確にするということは、人事制度を透明にする基盤を作ることを意味し、社員に説明できるものとなる。特に評価基準の不透明さは、いま企業が求める人材が一番嫌がる人事制度である。従来の日本的人事制度の特徴的な点は、能力評価基準と称しその実上司の主観的・情実的評価を正当化してきたことである。今その是正が求められていると言える。

 

最後はリクルートワークス研究所主任研究員の中村天江氏である。「中小企業や在宅勤務の生産性を高めたいだけの企業にとっては、ジョブ型の職務分解や職務記述書の策定が大きな負担になる」という指摘は中小企業だけでなく、大企業においても導入反対論の主流であった。公平な処遇の基盤としての職務記述書の整備が「負担になる」という理由で否定されてきたのである。しかし職務分析の進め方・職務記述書の在り方等負担を軽減するやり方は様々あり、過去の印象で未だに職務の明確化を否定し続けることは、人事管理の基本を考える上では残念なことである。その後同氏は「組織内の従業員それぞれが担う役割を決め、日々のマネジメントや評価、処遇との連動を強化する『役割型雇用』で十分だろう。これは人材を起点にしている点で『日本的ジョブ型雇用』と呼べる」と述べている。これは実質「職務記述書」作りと変わらない作業をやると言っているようにも受け止められる。「役割型雇用」のこれ以上の説明がないので詳細なコメントはできないが、気になるのは「人材を起点にしている」という表現である。これが従来の日本的人事管理の基本にあった属人的要素を評価の基準にすると言うことであれば、「ジョブ型雇用」という名で過去のやり方を踏襲するということになりかねない。

 

「人事管理の基本構造を決める基準」作りという視点からは、「ジョブ型雇用」の議論が活発化してきたことは、日本の人事の在り方を転換する大事な機会と言える。役割・職務を基準にすることの合理性・必然性への理解が進んだ状況では、次に職務の明確化のための考え方・手法を習得し、現実的に人事管理の在り方を変えて行くことが求められていると思う。

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秋山 健一郎(アキヤマ ケンイチロウ) 株式会社みのり経営研究所 代表取締役

秋山 健一郎
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