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あなたの組織は、ピラミッド型かアゴラ型か?

「あなたの組織は、ピラミッド型ですか?アゴラ型ですか?」

 

この問いが、いま改めて注目されている理由があります。

プロジェクトとは「特定の成果を出すための有期の活動」であり私たちは公私問わず何らかの形でプロジェクトに関わっています。今この瞬間も世界では様々なプロジェクトが進んでいます(身近なところでは週末のイベントへの準備から、国際宇宙ステーションでの活動まで大小さまざまですね)

 

 

(プロジェクトマネジメントの元祖 階段ピラミッド)

プロジェクト中で私たちが確認できる最古の建築プロジェクトは4,600年前(紀元前2,600年)のエジプト ジョセル王の階段ピラミッド(サッカラのピラミッド)です。階段ピラミッドはエジプトに130機あるピラミッドの「元祖」ですが、王権の正統性を太陽神に求めた政治性以外にも宗教性(宗教施設)、社会性(公共事業。毎年7月から11月に起こるナイル川の氾濫は農閑期となるため、ピラミッドはこの時期に建設された)など多重の意味があったようです。

 

現代の私たちが往々にして言及する「ピラミッド型組織」の原型である階段ピラミッドは伝統的な長方形の墓を6段に重ね高さは60メートルのものです、100年後に建設された有名なギザの三大ピラミッドのうちの一つ、クフ王の大ピラミッドなどと比べると原始的なイメージがありますが、わずか100年の時を経て大ピラミッドに進化というスピード感に注目したいところです。

 

人材育成と組織開発の専門家としてこれまで30か国以上のリーダー育成に関わってきましたが、リーダーたちにお伝えしているのが「適切な組織の動かし方」です。そのためには彼ら、彼女らを取り巻く(彼らが動かす)組織の特徴や文脈を深く理解する必要がありますが、組織=組織図、ではなく、一人ひとりのモチベーションや今までの経緯、組織文化など「目に見えない」ものが多いため、その対応に戸惑っている方も多くいます。今コラムではどの国・どの業界にもある「ピラミッド型」と「アゴラ型」2つの組織モデルをご紹介したいと思います。

(規律・統制のピラミッド型組織──安定を支える「構造」)

 

ピラミッド型組織は、古くは古代エジプトの官僚制度から、現代の官公庁・大企業に至るまで、長きにわたり「秩序」と「効率」の象徴として機能してきました。トップダウンの意思決定、明確な役割分担、規律ある行動。これらは、変化の少ない環境や、大規模なオペレーションにおいて極めて有効です。


このモデルでは、組織の「責任の所在」が明快であり、再現性の高い業務を着実に回すには適しています。一方で、構成員の創造性や多様性は抑制されがちで、「言われたことをこなす人」が量産されるリスクも内包しています。

 


(自律・対話のアゴラ型組織──共創を促す「場」)

 

一方、アゴラ型組織は、古代ギリシアの広場「アゴラ」にルーツを持ちます。アテネのパルテノン神殿のふもとにある古代アゴラ広場は紀元前500年頃、ソクラテスやプラトンといった哲学者や市民が議論や投票を行った場所で、対話の発祥地といえる場所です。そこでは誰もが自由に意見を述べ、対話を通じた意思決定がなされていました。現代においてこのモデルは、スタートアップ企業やティール組織、あるいは市民参加型の地域コミュニティに見られます。


このモデルの強みは、多様な視点が交差することによる創造性、当事者意識の高さ、そして変化への柔軟な対応力です。リーダーは「決定する人」ではなく、「問いを立て、対話を編む人」としての役割を担います。

しかしながら、全員の声を聞こうとすればするほど、意思決定には時間がかかり、責任の所在が曖昧になることもあります。「何となくいい議論」で終わってしまい、現場が動かない──そんな危うさも併せ持ちます。

 


(ピラミッド型組織かアゴラ型組織か)

 

では、私たちはどちらを目指すべきなのでしょうか。私の答えは、「両方」です。どちらが正しいか、ではなく、組織の目的・規模や状況に応じて「リーダーシップを使い分け」していくことが重要です。

 

たとえば自社や自部門を取り巻く環境が相対的に安定しており、規模や拡大再生産が求められるのであればピラミッド型組織マネジメントを、逆に環境変化が激しく創造性や相互学習(ちなみにピラミッド型組織の学習は知識のコピーというイメージに近いです)が要となるのであればアゴラ型組織マネジメントを意識して行う必要があります。

また、同一の組織においても戦略を立てる場ではアゴラ的な自由な対話を重視し、戦術を実行する局面ではピラミッド的な指揮命令系統を活かす。あるいは、一つの組織の中に「アゴラ的な部門」と「ピラミッド的な部門」が共存していることも珍しくありません。

 

繰り返しになりますがリーダーが向き合い、動かす「組織の姿」とは「組織図」ではありません。固定されたものではなく、目的や問いに応じて柔軟に変化しうるものです。だからこそ、リーダーには、組織タイプを把握したうえで適切にマネジメントするための、構造を把握する目と、場をつくる手腕の両方が求められます。

 

 

(おわりに──「時代観」「人間観」「組織観」のあいだに立つ)

私自身は組織論の専門家として、ピラミッド型組織が先に進むために対話を重視したアゴラ型組織への橋渡しすることが多いのですが現在、「組織の普遍性や永続性」をテーマにした思想の旅を続けています。例えばエジプトの砂漠でピラミッドを見上げたとき、あの過酷な環境の中での規律と管理の力に言葉を失いました。他方、アテネのアゴラ広場ではオリンポスの神々をも生み出し、専制者をも追い出すほどの対話の力に心が震えました。国内外の様々な場所を訪れ、素晴らしい人たちと対話を続けています。

 

私が人材育成の現場で幾度となく見てきたのは、「問いを立てる力」が個人の成長だけでなく、組織の未来をも変える瞬間でした。これは単なるスキル開発ではなく、存在論的な問い——人は何のために働くのか、共に何を成すべきか——に触れる旅でもありました。ピラミッドでは「管理される存在」として、アゴラでは「共に問い続ける存在として」の人間観に立脚し、どのタイプを選択するかは、「時代観」「環境観」「人間観」の表れでもあると思います。

 

本コラムの冒頭で私は「ピラミッド型かアゴラ型か?」と問いました。

 

しかし本当に問うべきは、「どのような時代観、人間観をもち、どのような組織を目指すのか」なのかもしれません。

 

あなたの組織はピラミッド型ですが、アゴラ型ですか。
そのモデルは今後も有効ですか。
モデルの移行が必要だとしたら、まずはどこから手を付けますか。

その問いに向き合うあなた自身の「構え」が、次の時代の組織を形づくる鍵となるはずです。

 

このコラムを書いたプロフェッショナル

小平達也

小平達也(コダイラタツヤ)
株式会社グローバル人材戦略研究所

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、グローバル、リーダーシップ、マネジメント
対応エリア 全国
所在地 港区
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