【社員に言えない人事の悩み】海外赴任候補者の打診と辞退

「先生、今回のX国への海外赴任、候補者4名に断られて、ようやく5番目の方に行ってもらえることになりました(やれやれ、、、)」

 

グローバル人材戦略研究所では「世界で通用する人づくり、組織づくり」をテーマに、長年グローバル人材育成の支援をしていますが、人事の皆さんから聞くお悩みの一つが、海外転勤候補者の打診辞退です。

 

「経営者から名前の挙がったピカ一の候補者に打診をしても、辞退されてしまい、何名も続いてしまう」というような、社員に言えない人事の悩み~海外転勤候補者の打診と辞退~ですが、厚生労働省によると※人事が海外転勤者の選定に当たって直面した課題としては、語学力不足(60.8%)や能力(56.9%)に起因する課題に加えて、以下のような理由も挙げられています。

 

・海外転勤を打診しても本人が転勤を希望しない(39.2%)

・海外転勤希望者が少なすぎる(35.0%)

・海外転勤を打診しても家族の了承が得られない(11.3%)

 

このように、能力以外にそもそも候補者本人や家族が海外転勤を希望しないというような、海外勤務に対する考え方に起因する海外赴任辞退で悩む人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

グローバル人材戦略研究所でも提供している対応策としては

・入社時や入社3~5年次の階層別研修での意識付け

・中堅から上位層であればグローバル人材のプールとしての選抜型育成プログラム

などがありますが、何と言っても大事なのは海外勤務経験者が赴任中のみならず帰任後も活躍するような配置・任用・環境づくりです。その意味では、海外赴任候補者づくりは個別の人材育成に留まらない、組織開発的な観点からも取り組んでいく必要があります。

 

※出所:厚生労働省平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-((独)労働政策研究・研修機構「企業の転勤の実態に関する調査」(2017 年)、(独)日本貿易振興機構「2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」をもとに厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成)

このコラムを書いたプロフェッショナル

小平達也

小平達也(コダイラタツヤ)
株式会社グローバル人材戦略研究所

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、グローバル、リーダーシップ、マネジメント
対応エリア 全国
所在地 港区

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