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マネージャー間の心理的安全性 ~縦割り組織の建前をなくせ

1.はじめに

成功し続けるチームに必要な条件とは何か。

この問いかけに応えるため、Googleが4年をかけて行った社内調査が「プロジェクト・アリストテレス」です。そして、そこで明らかになったことは「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」ということでした。

この調査がきっかけとなり、世界で「心理的安全性」という言葉が一気に流行することになります。このコラムでも以前、心理的安全性については扱っていますが(下記参照)、皆さんの会社においても1on1や会議などで重要視されてきているのではないでしょうか。最近は1on1のサポートに特化したSaaSビジネスなども登場してきています。

一方、心理的安全性は本来、「チーム内」だけに求められるものではないはずです。より広く組織における部署間やチーム同士のコミュニケーションにおいても自由で創造的な雰囲気作りは重要です。

今回はこの「部署間・チーム間のコミュニケーション」、特に「マネージャー間の心理的安全性」について考えていきましょう。
 

2.改めて「心理的安全性」とは

ここで改めて、心理的安全性とは何かを確認しておきましょう。

心理的安全性という言葉はもともと、 ハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・C・エドモンドソンという女性研究者によって提唱されたものです。彼女は20年以上の研究から、チームがうまく機能する条件の一つとして心理的安全性を挙げています。心理的安全性とは、「チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、とチームメンバーに共有される信念のこと」とされています。

ここで重要なことは、例えば「お互いの意見を否定しない」など形式的な会議ルールを作ればよいというわけではないということです。あくまで心理的安全性とは「(踏み込んだ発言をして)対人関係のリスクを取れるかどうか」ということですので、ルールで認められていても後から文句を言われるのではないか、評価に影響するのではないか、などを思われてしまったら意味がないのです。

心理的安全性の目的は要するに、創造的な組織を作ることです。イノベーションを起こすためには色々な意見が出た方が良く、意見の良し悪しは一義的には評価されません。逆に言えば、カリスマ経営者の下、やることが決まっていてひたすら作業をこなしていく組織であれば心理的安全性は不要かもしれません。何事も目的意識をもって議論することが重要です。
 

3.マネージャー間の心理的安全性 ~全体最適と個別最適の狭間

さて、ここからは「部署間の」心理的安全性、とくにマネージャー同士のコミュニケーションに焦点を当てていきましょう。皆さんの会社では部署間のコミュニケーションはスムーズでしょうか?それほど人数が多い会社でなくても、縦割りになってしまって蛸壺化し風通しが悪い組織は多いものです。

部署を超えたプロジェクトや案件など、マネージャー間での調整が必要になってくるケースでは、通常の心理的安全性とは別の視点が必要になってきます。

まず何より、各マネージャーは各部署を代表しており、何らかの権限を持っていること。そして部署やチームの代表が集まる以上、何かしら「意思決定」することが必要になってくるということです。

自分のチーム内の心理的安全性であればブレインストーミングなど色々な意見が出る雰囲気づくりだけで済むかもしれませんが、部署間で問題の調整や課題解決を進めるとき、結局どうしていくのか意思決定しなければ物事が進みません。ただ、その過程においてマネージャーは自部署のリソースの状況があるため、それほど簡単に現状変更を認められないということもあるでしょう。部署をまたぐ話は、基本的に各部署が保守的になりがちであり、(たとえ全体最適の観点からは望ましくとも)まずは他部署に対してファイティング・ポーズをとり、進んで現状変更を進めていこうというケースは少ないのではないでしょうか。

そのように多くのマネージャーが様子見をしてお互い探り合っていると、結果的に「声の大きい人」の意見が通りがちになります。あえて反論する人もいない中、なんとなくいつも話す人が同じで、その人の意見に引っ張られてしまうということはよくあることで、特段上下関係があるわけでもないのに、自分の意見を出しにくいという経験はないでしょうか。

人間にはそもそも現状維持バイアスがありますし、進んで何かを「変えよう」といった場合、変えた責任も発生してしまいます。声の大きい人も、「今まではこうだった」とか「過去にこういう取り組みをしてこういう経緯で失敗した」といったことが多く、どんどん変えていこうというケースは少ないかもしれません(そういう場合は結局、多くのケースで現状維持派からの静かな抵抗にあうものです)。

本当は決めないといけないことがあり、改善しなくてはいけないことがあり、自分にはそのアイデアもある、しかしそれをなかなか言い出せないし、今言わなくても現状はとりあえず回っていく。これは決して望ましい組織ではないものの、多くの企業で陥りがちな状態でもあります。こういう場合、どうしたら部署間でのコミュニケーションをよくすることが出来るのでしょうか。言い換えると、マネージャー間の心理的安全性が担保できるのでしょうか。
 

4.部署間の心理的安全性を生み出す方法

ここでは実際に多くのケースで効果を上げている方法のポイントを紹介しましょう。

重要なことは、

  • 当事者以外の部署を巻き込むこと
  • 上手く物事が進んだ成功体験を持たせること

の2点です。
具体的には以下の方法をとります。

まず何らかの方法で各マネージャーが感じている問題点や課題意識をざっくばらんに書き出してもらう。この段階では、それを共有するとも解決するとも言わず、とにかく意見出しをしてもらう。
そのうえで、多くの当事者以外のマネージャーもいる中で、各課題について意見交換、実際の課題意識を共有してもらう。できればその中で(先送りにせず)方向性も決めてもらう。

多くの場合、そもそも不満があってもお互いに口に出しておらず、当事者も周りから問題視されていることに気付いていないものです。そして、もし口に出して相談したとしても、当事者同士ではどうしても組織防衛・個別最適に走りがちになるので、本来こうあるべきという意見は実は一致していたとしても、自由にそういったあるべき論の議論にならないという二重の難しさがあります。

従って、まずはフラットに今の課題意識を見える化すること。ここでは、解決するためとか言わず、また相手当事者のいないところでざっくばらんに出してもらうことが心理的安全性を担保します。そうすると大きな話から小さな話まで、数多くの課題意識が出てくるはずです。

そしてそれを見える化できた段階で、全ての項目をテーブルの上において、多くの(当事者以外の)マネージャーを巻き込んで解決の方向性を探ります。ここでは参加者が当事者だけではないので、部署間の都合を押し付け合うといった視点がかなりなくなり、全体最適の視点を強くすることができますし、他部署のマネージャーからの後押しももらえるでしょう。そして、なるべく(小さい話は)その場で決めてしまうことによって、思いのほかスムーズにサクサク物事が決まっていくことを体験できるでしょう。権限を持っている責任者が揃っているのであれば、この場で決められなければいつ決められるんだ、くらいの勢いで話しをしても構いません。

ある意味で過激に見えるこの方法ですが、実際にやってみると「今までにないくらいの爽快感」「かつてないほどスッキリした」といった発言が相次ぎます。そして、何より「自分たちで決められるんだ」という自信がつき、それ以降のコミュニケーションが格段に良くなって、お互いに言いたいことを言える関係性へと発展していくことが多いのも特徴です。必要なことは、自由に発言してもよいのだ、そしてそれが組織を良い方向へと変化させることにつながったという成功体験を持つことです。それがマネージャー同士の心理的安全性の構築につながり、スムーズで前向きなコミュニケーションを生み出していきます。

マネージャーの皆さんは普通の社員よりも権限が大きく、意思決定をしなければ いけない立場の人間です。そこでのお互いの忖度や遠慮などは、組織にとって大きな損失になるということを再度意識し、部署間のコミュニケーションの円滑化に活かしてみてほしいと思います。
 

5.おわりに

今回は心理的安全性の中でもチーム内の創造性を超えて、縦割り組織の打破について扱いました。マネージャーは自部署を守りながらも、全体最適の中で意思決定をしていく必要があります。空気を読んだ問題の先送りは、組織を衰退させるだけかもしれません。長期的に見て、何が自社の社員を守っていくのか、自社の競争力を常に向上させていくにはどうすればよいか、そういった観点からマネージャー同士の心理的安全性について、皆さんの会社でも是非議論をしてみてほしいと思います。


※本コラムは、NTT HumanEX公式サイトにて掲載している記事を転載したものです。

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