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プロフェッショナルコラム

評価制度で社員が給料にうるさくなりました

 

皆さんこんにちは。

組織コンサルティングを行う、株式会社ソリューション東京拠点長の
濱川桃子(はまかわももこ)と申します。

このコラムは、以前弊社に頂いた組織構築・人材育成に関するお問い合わせに対して、
お答えさせて頂く形で、掲載させて頂いております。

さて今回は、“評価制度”とその“運用”について、
ちょっとした違和感を覚えた経営者さまからのご質問です。

 

>【今週の議題】大阪府 経営者 K様より
===================================

設立:未記入/業種:未記入/従業員数:未記入
===================================

評価制度についての相談です。

数ヶ月前に、社員から「仕事において、成長実感がない」
という声が上がってきました。

上司に当たる者には「できたことは褒める」等の
コミュニケーションをとるように伝えており、
実践してくれているのですが

「じゃあ、それで給料はいくら上がるんですか?」という部分において、
成長を実感することができない、ということでした。


そこで、確かにやったことと報酬が繋がっていることは大切だと思ったので、

「何ができれば、どんな役職になる」
「何ができれば、いくらの報酬になる」

ということを明確にした評価制度を作り、運用してみました。


しかし、少し違和感があります。

私が考えるに、「評価」とはあくまで結果であり、
大切なことは、どれだけお客様のために全力を尽くし、
会社の理念に沿った仕事をしているか?ということなのですが・・・、

そのあたりが、イマイチ伝わっていないように感じるのです。


社員からは「いくらの給料がほしい」などの声が多く出るようになりました。

欲があるのはいいことなのですが・・・。


社員に成長を実感してもらうために、
評価制度を作ったことは、正しいことだったのでしょうか?


(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


この度はご質問、ありがとうございます。
社員様の声に耳を傾け、即実行されるスピード感が素晴らしいですね!

そして、今回のように、社員様の声にもっと耳を澄ませてみると、
また新たに挑戦していくものが見えてくるでしょうし、
貴社はより良くなっていかれるだろうと思いました。


さて、回答をさせていただく前に、あなたご自身が感じている
少しの“違和感”についてですが、私も同様に感じています。


この“違和感”の正体は恐らく、
今回あなたが作成された評価制度が

評価制度=【報酬を適切に決めるための仕組み】

という意味合いでのみ、
運用されてしまっているということにあると思います。


一口に評価制度と言っても、様々な考え方があるかと思いますが、
あなたご自身はそもそも“何のために”評価制度を導入されたのでしょうか?


私は、あなたが評価制度を取り入れられた本来の目的は、
ご質問でいただいている文章通り

【“お客様のために全力を尽くし、
会社の理念に沿った仕事をしている社員”で溢れる企業にしていくこと】

ではないかと思っております。
そして評価制度は、その目的を達成するための一つの≪仕組み≫ですよね。


社員様に、やる気を持ち続けてもらいながら、働き続けてもらおうと思うと、
頑張ったら頑張った分だけ報酬や役職が適切に与えられることは、とても重要です。

ですので、今回、評価制度を作成したことそのものは決して間違いではないと思います。


ただし、あなたの本来の【目的】を実現しようと思うと、
現状のやり方だけでは足りないところがあります。


このままであれば、評価制度はきっと、ただの【査定】と化してしまいます。


あなたの評価制度を作成した目的は、少し言い換えると、
「人材育成を通して、経営目標を達成する」ということになるかと思いますが、

その目的を達成するための評価制度を作ろうと思うと、

「何ができれば、どんな役職になる」
「何ができれば、いくらの報酬になる」

という業務レベルによる評価だけではなく、

理念やビジョンの理解度・共感度と、評価制度を
【連動】させていくということが重要かと思います。

そして、それをすることが、貴社の目下の課題ではないでしょうか?

 

加えて。
実は、私にはもう一つの違和感が残っているのですが、
その話を最後にさせていただきます。


その“違和感”とは、
社員の皆様が言う「仕事において、成長実感がない」という一文です。


私個人の価値観ですが、
成長実感は、報酬とはあまり関係がないと思っています。

関係があるのは、例えば、
今までやったことがないことに挑戦したり、
自分が出来ないことが出来るようになったり・・・
ということではないかと私は思っています。


ただ、これは、

誰かに与えられて得られる感覚なのでしょうか?
会社が用意するものなのでしょうか?


いえ、自分自身の行動と、その結果によって
自らで感じることができるものだと思います。


少し、耳の痛い話かと思いますが、
私は、社員様の声にもっと耳を傾けると、「成長実感がない」のではなく、
貴社において「成長するメリットがない」という言葉が
本音として出てくるのではないかと思いました。


もしこれが本音だとしたら、

「貴社の成長に自分自身がどのように関わっているのかが見えない」
もしくは、「あまり興味がない」

ということが、起きているのかもしれませんね。


・・・いかがでしょうか?

「大切なことは、どれだけお客様のために全力を尽くし、
会社の理念に沿った仕事をしているか」

だと思われているあなたであれば、

私は、本当はあなた自身がまだまだ社員様に伝えたいこと、伝える必要があることを、
伝えられずに、たくさん抱えていらっしゃりそうだなと感じています。


社員様に対して、遠慮をし続けられていませんか?


あなた自身の挑戦によって、
貴社はいくらでも良くなっていくはずです。

勇気を持って、共に踏み出しましょう。


ご質問いただき、ありがとうございました。

 


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コラム執筆者
濱川 桃子
濱川 桃子(ハマカワ モモコ)
株式会社ソリューション 東京拠点責任者
二歩先を見て半歩前進する
『共に』というスタンスであり続けます。
自分自身の成長がお客様の勇気や刺激になると考えておりますので、私は私自身の自社での実践の中で得た経験、そこからの気づきを伝えられるコンサルタントとして、皆様の組織変革のお手伝いをさせていただきます。
得意分野 経営戦略・経営管理、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント、チームビルディング
対応エリア 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県)
所在地 品川区

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