社員が定着しないことによる企業の損失Vol.2
前回「社員が定着しないことによる企業の損失Vol.1」では、入社3年目の社員が退職した場合約1500万円の損失が出るとお伝えしましたが、社員が定着しないことによる損失はそれだけではありません。
もう一つの損失は、ネットなどでの口コミによって、その後の人材採用が難しくなることです。
この数年人材採用が難しくなってきているなと思っている方は、ヤフーでもグーグルでも良いので「会社名 ブラック」で検索してみください。もしかしたら就職や転職の口コミサイトが出てくるかもしれません。
最近では様々な口コミサービスが広がっていて、求職者も情報源の一つとしています。
また、ブラック企業という言葉がの定義もあいまいなままに広まってきてしまい、気付かぬ間に「ブラック企業」のレッテルを張られているケースも見受けられます。
最近の調査では「ブラック企業だと思う基準」というアンケートがありました。
学生と企業の人事担当者の双方に聞いているのですが、これがなかなか面白い結果です。
例えば、大卒新卒者の3年以内離職率について、学生は「3割以上でブラック企業だと思う」と回答したのが全体の約半数。
一方、企業の担当者は「5割以上でブラック企業だと思う」と回答したのは過半数ですが、「3割以上でブラック企業だと思う」と回答したのは20%程度という結果でした。
これは「3年で3割が辞める」ということが様々なメディアで取り上げ、全体平均が3割という認識が学生にも企業側にも広がったことが一つの要因ですが、平均値の受け取り方が双方で違っていることがわかります。
学生は平均値まではブラック企業ではないけど、平均以上はブラック企業と考えています。対して企業側は平均値なんだから3割はセーフ、でもさすがに5割は多いかなという認識でしょう。
同じような調査で残業時間によってブラック企業だと思う水準を聞いているケースもあります。
社員が定着しないということは、辞めた社員から恨まれる可能性も高まります。そうなれば、口コミサイトに誇張して悪く書かれる可能性もゼロではありません。何より、ただの口コミサイトとバカにできない状況になっているだけに、社員の定着については真剣に考える必要があります。
【過去のコラム】
社員が定着しないことによる企業の損失Vol.1
- モチベーション・組織活性化
- 安全衛生・メンタルヘルス
- 人材採用
- リーダーシップ
- その他
早期離職対策・社員定着率向上コンサルタント
「早期離職白書」の作者であり、若手社員と育成担当者への研修・セミナーを全国で実施している。
また、2015年10月よりストレスチェックサービス「りーふBiz」をリリースし、現在はメンタルヘルスケアサービスも展開中。
井上 洋市朗(イノウエ ヨウイチロウ) 株式会社カイラボ 代表取締役
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