社員が定着しないことによる企業の損失 Vol.1
早期離職対策に関するセミナーや講演をしていると、「辞めたほうが本人のためになることもある」「辞めてもらったほうがいい社員もいる」という意見をいただくことがあります。
確かに、本人とっても辞めたほうが次のステップになることもあるでしょう。あまりに成績が悪く、辞めてもらったほうがいい社員がいるということもあるでしょう。
しかし、その社員を採用したのは誰でしょうか?そしてその原因は何でしょうか?
それがわからなければ、また同じことを繰り返してしまいます。
「辞めたほうが本人のためになることもある」「辞めてもらったほうがいい社員もいる」という発言は、ほとんどの場合が離職率が高いことに対する言い訳で使われているのが実情です。
さらに、入社3年目の社員が退職した場合、企業にとっての損失は約1500万円にもなります。「本人のためだから1500万円をドブに捨てても仕方がない」と言える方は多くはないと思います。
この1500万円という金額はもちろん企業によって異なりますが、新卒の一人当たり採用コストが数十万~50万円程度。さらに内定期間~入社時の研修費用、教育コストがかかります。
一番大きいのは3年間の給与です。社会保険も含めて月額20万円×12か月+ボーナス2か月分としても、年間280万円かかります。
加えて、2年目、3年目と昇給すれば、給与だけで1000万近くの費用がかかることになるのです。
もちろん、その間に社員が一円も会社の売り上げに貢献しないということはないでしょうが、多くの企業では3年間の間に採用・教育にかかった費用を回収することは難しいのが現実です。
しかも、仮に回収できたとしても退職されてしまえばその分はリセットされ、また新たな人材の採用教育が必要になってしまいます。
早期離職による損失は人事担当者の方でも認識できていない場合があります。
金額換算で把握することは、事態の重大さを認識するためにも必要な手段ですので、早期離職による損失を計算したことがない方は、一度計算してみてください。
企業によって差はありますが、最低でも1000万近い金額にはなるはずです。
- モチベーション・組織活性化
- 安全衛生・メンタルヘルス
- 人材採用
- リーダーシップ
- その他
早期離職対策・社員定着率向上コンサルタント
「早期離職白書」の作者であり、若手社員と育成担当者への研修・セミナーを全国で実施している。
また、2015年10月よりストレスチェックサービス「りーふBiz」をリリースし、現在はメンタルヘルスケアサービスも展開中。
井上 洋市朗(イノウエ ヨウイチロウ) 株式会社カイラボ 代表取締役
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 千代田区 |