部下に一段上の視点を持ってもらうための上司の関わり方

先週、コンサルティング先のとある女性社員の方と
やり取りをする中で、彼女の視点・視座が
だいぶ上がっていることが判明!

その女性社員の上司にあたる男性管理職と
一緒になって部下の成長を喜び合っていました。

では、実際に上司はどのように部下と関わったことで、
部下は今より一段上の視点を持って業務に関われるようになったのでしょうか。

 

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■視点が高い人・低い人
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ここでお伝えする「仕事における視点・視座が高い人」とは、
より経営視点に近い考えを持っている、
という方を指しています。

「事業継続のために、自分は何を求められているのか」
「今の自分が出来ることは何なのか?」

ということを冷静にバランスよく見極めて、
自ら判断して行動ができるといった特徴があります。

一方、視点が低い人は、自分視点に偏った形で
物事を見る傾向が強く、比較的、自分の利益優先
という印象が強いかと思います。

特徴の1つとして、不安に苛まれやすく、
時折感情に任せて自分の意見をぶつけてしまう、
という場面も見受けられます。

とはいえ、自分を守るためには自分視点も大切です。

重要なのは、自分視点も含めて、
経営視点・事業視点・お客様視点など、
様々な視点でバランスよく考えることだと
私は考えています。

 

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■役割が人を育てる
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コラム冒頭でご紹介した女性社員の方が
視点がぐっと上がった背景を分析した時、

「情報の質と量」

に変化があったことが分かりました。

というのも、彼女はこれまで言われたことをやる、
というスタイルの働き方が主だったところから、
一部の業務において責任者として取り組むことになったのです。

これをきっかけに、彼女は自律的に必要な情報を
取りに行く姿勢が随所に見られるようになりました。

取りに行く情報の質も高まって、
彼女に業務を任せたことによる成果とともに、
本人の成長にもうまく繋がった結果となりました。

「役割が人を育てる」とよく言われていますが、
まさにこの出来事が当てはまるのではないでしょうか。

今より一段上の役割を与えられることで、
視点も一段上がる、
ということです。

 

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■視点を上げる「良質な情報」
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業務を行う上で情報は重要です。

また、情報は自ら取りに行く必要があります。

しかし、業務の内容が分からなければ質問はおろか、
そもそも何を聞けばいいのかすら分からないもの。

私も就職して2〜3年の頃は、先輩や上司から
「情報は自分から取りにくるように」
と幾度となく言われてきました。

他にも、事業計画の資料のコピーを頼まれた時に、
「ただ漠然とコピーするんじゃないぞ」
と上司から言われたり、管理職に昇格する前には、
「議事録を書いてみないか」
と、部長クラスの会議に同席させてもらっていました。

こういった関わりを通して、私は「良質な情報」を得て、
会社全体から自分が関わる事業を見ることができるようになり、
視座が上がっていったのだ、ということが今とてもよく分かります。

 

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■部下の視点を上げる「権限委譲」
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昨今の状況から、日常的にテレワークで働くことが増え、
情報を取りに行きたくても難しい、また上司の方であれば
部下に情報を伝えるタイミングについて悩んでしまう、
という方も多いかもしれません。

とはいえ、テレワークという働き方は
新型コロナウイルス感染症が収束した後も
一部は続くと予想されています。

もし、上司の立場にある方であれば、

権限委譲をして仕事を部下に任せる
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ということを通して、必要な情報を与える、
もしくは情報の収集の仕方を教える、といったことを
伝える機会に活かしていただければと思っています。

特に、成長させたいな、という部下や社員に対しては、
これまで以上に積極的に仕事を任せることを、
情報提供とともに意識すると良いかもしれません。

それによって、チームや会社全体的が効率的になり、
業務改善の視点においても、業務改革が進むと思います。

  • 経営戦略・経営管理
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  • マネジメント

◆技術の現場に“変革の起点”を。
3年で“生え抜き女性役員”を持続的に生み出す仕組みを創る

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
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所在地 千代田区

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