〜副業禁止を止めて、若手が別の場所で働けるようにしよう〜
2015年2月3日
【提言】女性活躍推進の障壁である残業文化を払拭すべき
~副業禁止を止めて、若手が夜に別の場所で働けるようにしよう~
初めて日本の人事部に投稿します。一般社団法人彩志義塾(さいしぎじゅく)の代表理事の古川裕倫と申します。弊社団法人では、主に、幹部や役員を目指す「女性社員のための立志塾」の運営や企業向けにダイバーシティ・女性活躍推進の講座を提供しております。私、古川裕倫は、これまでに女性活躍推進を含むビジネス書を24冊書いており、ダイバーシティや女性活躍推進に関する意見や感じたことをこれからこのコラムに発信していきます。どうぞよろしくお願いします。では、多くの共感をいただいている私の最近の提言からご紹介します。
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「管理職は定時に帰れ、家で仕事をしてもいいから。若手男性も定時に帰って、アルバイトをすればいい。会社は、副業禁止の制度を見直すべき」と提言したい。
子育てと仕事の両立が難しい理由の1つに、女性が残業しにくいことが上げられる。周りの人間(多くは男性)が残業しているのに、時短で自分だけ早く退社しにくいという遠慮があり、職場に居づらくなって、中にはそれが理由で退職する人もいる。
「日本のホワイトカラーの生産労働性は先進国で最低」というのはよく知られている。そろそろ、タラタラ残業する文化を変えなければいけない。現在、ホワイトカラーエグゼンプションが議論されているが、大変よい事だと私は思う。
典型的な古いイメージは、「男は外でモーレツに働いて、女性は家庭を守る」ことだが、この「モーレツに働いて」が残業文化に繋がっている。長時間働くのではなく、効率的に働く必要があり、生産性を上げるという本質が望まれる。
ただ、問題の一つは、残業代が若手社員の生活給与の一部となっていることである。日本型の給料体系には、管理職にまで残業食事代を出す会社もある。これが「残業文化」の諸悪の根源の一つだと思う。他方、外国の会社や外資系の会社では、このような残業は評価されないし、非効率な仕事を続けているようでは、雇用そのものが危うくなる。
ここで提案したいのは、残業で稼がずに会社以外のところで働けばよいということ。「昼はサラリーマン、夜はバーテンダーもよいではないか」。夜は、堂々とバーテンダーをやって、そこに昼間の会社の同僚が飲みに行ってもいい。残業代を稼ぐのではなく、別のところから収入を得ればいい。
それを否定するのは、多くの日本の会社にある「副業禁止規定」である。確かに、企業が独自でルールを決めるのであるから法的におかしくもなく、それは自社が勝手に決めればよいものである。
ただ、現在、副業禁止規定にどれほど意味があるのだろうか。会社員でありながら株式売買をする者や不動産投資などこれら副業をしている年配者も大勢いる。逆に若手は、このような副業をする財力もない。
多くの会社では、副業も会社に申し出て許可されればいいとあるが、制度はあっても現実は遠慮がつきものである。もちろん、勤める会社に競合する職種はダメと制限をするのはいいが、「副業禁止」という文化を変えたい。それが、「早く(昼間の職場から)帰る」という文化に変えることに貢献すると思う。
「なぜ副業禁止規定があるのか」何社かの経営者に聞いてみたが、確固たる答えはなかった。「前からあるのだと思う」「社労士からの勧めかもしれない」程度のコメントである。戦後の右肩上がりに生産人口が増加しているときの遺物としか思えない。
企業内では生産性の向上を求めて残業文化とせず、生活資金の不足分があるのなら、別の職業を同時に持つことによって問題解決すべである。(了)
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雑誌掲載・著書多数!女性活躍の男性推進サポーター兼「立志塾」塾長。経営的観点から、ジェンダー×ダイバーシティの意義と実践をお伝えします。
ホリプロ経営企画室長時代、多くの名もなき女性たちがプロのタレントとして輝きを放つ瞬間を見てきました。何故無名の新人が大女優になるのか?―才能を見つけ、引き出し、磨き、演出する。企業における人材育成、殊、女性育成でも根幹は同じかもしれません。
椎川 乃雅(シイカワ ノア) 一般社団法人彩志義塾 代表理事
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