ANAグループの目指す人材育成
日本生産性本部は2024年11月21日、第98期「人事部長クラブ」の11月例会(現場見学会)を東京・大田区のANAの訓練施設「ANA Blue Base」で開催した。
- 『ワクワク』は人を動かすエネルギーになる
当日、参加者は世界最新鋭の訓練設備を有する訓練施設「ANABlue Base」の見学ツアーに参加し、客室乗務員や貨物スタッフ、整備士などの訓練の現場を体感した。その後、「ANAグループの目指す人財育成~経営ビジョンの実現に向けて人の力を活かすANA流の人財戦略」をテーマに、ANAホールディングスグループ人事部担当部長兼全日本空輸人事部担当部長の片桐伸樹氏が講演した。
片桐氏は、ANAグループのグループ経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を~私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます」に関して、「様々な社員が集まり、グループのありたい姿について、『社会(社会的存在価値の向上)』『お客様(多様なつながりの創出)』『社員(人的価値の向上)』の三つのカテゴリーで議論を重ねたところ、カテゴリーの共通のキーワードとして『ワクワク』が抽出された。『ワクワク』は人を動かすエネルギーになる」と述べた。
ANAホールディングスグループ人事部担当部長兼全日本空輸人事部担当部長 片桐伸樹氏
- 『人の力』『組織の力』の最大化による企業価値向上
また、「グループ人財戦略」で「ANAグループの価値源泉である『人の力』『組織の力』の最大化による企業価値向上」を目指していることに触れたうえで、特徴的な研修を紹介した。具体的には、職種転換を考える社員が挑戦機会をどう活かしキャリアを築いていくかを考える「キャリアチェンジ支援研修」や、ミドルシニア社員の希望者を対象にキャリアの棚卸しを行い、社内コンサルタントが半年間伴走しながら学習を継続する「シニア人財リスキリング研修」について説明した。また、学び合いたいテーマを持った社員がホストとなり、メンバーを募ってテーマについて約3カ月学び合う「学びのコミュニティ」、ミドルマネジメント活躍支援として、共創型マネジメントの考え方を共有し、各職場での課題などを共有しながら、どのようにマネジメントしていくかを職場の違うメンバー間で話し合う「共創型マネジメントワークショップ」の内容も紹介した。
- 「ANAグループ教育研修方針」の三つの柱
今年度の「ANAグループ教育研修方針」では、「キャリア目標の設定・自律成長の支援」「共創型マネジメントの実践・付加価値創造にむけた変革の推進」「強みを活かし、社員同士が学び合う場を拡充」の三つの柱のもとで教育研修に取り組んでいることや、2007年に設立した「ANA人財大学」では、グループの階層別研修や選抜研修、自己啓発、キャリア研修、海外雇用社員研修など、様々な研修を実施していることなども説明した。
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日本生産性本部は、企業を中心としたさまざまな組織の中長期的な発展を目標に、経営コンサルティング・人材育成を実施しています。
経営コンサルティングの対象となる経営組織の特質・現状をトータルに調査・分析することにより、問題点を抽出・整理し、激変する経営環境に対応できる経営革新の方策を提示し、これを実現するために最適のマネジメント手法の導入・定着を図ります。
日本生産性本部(ニホンセイサンセイホンブ) コンサルティング部
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第98期 人事部長クラブ
開催日:2024/08/23(金) 12:00 ~ 2025/01/24(金) 15:00