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効果的な人材育成を実現する"研修ロードマップ"の作り方

組織の成功や成長にとって、優れた人材の育成は不可欠です。しかし、多くの企業や組織がどのようにして効果的な人材育成を実現するかという点で、共通の課題に直面しています。そこで注目すべきなのが、「研修ロードマップ」です。

研修ロードマップは、組織の目標や戦略に基づき、社員の能力の現状を評価したうえで、具体的な成果を上げることのできる研修プログラムを策定するための指針です。いわば社員の成長に焦点を当てた綿密な人材育成計画書であり、当然、単なる研修プログラムの羅列ではありません。

本コラムでは、効果的な人材育成を実現する研修ロードマップの作り方について探求していきます。

 

組織・個人の現状把握

人材育成の成功の鍵、その第一歩は現状把握です。組織の目標と戦略に基づいて、必要な人材ニーズを整理しましょう。まずは企業ビジョン達成のために必要なスキルや能力を特定していきます。たとえば、新規市場の開拓や最新テクノロジーの導入に伴う変革を目指す場合、クリエイティブな発想力やデジタルマーケティング、DXなどの知識が求められるでしょう。

業界のトレンドや競合他社の動向を分析することも重要です。変化し続けるビジネス環境で求められるスキルや能力を把握できなければ、企業の競争力は高まりません。

次に、社員のスキルや能力を評価します。パフォーマンス評価やフィードバック、能力マトリックスなどのデータを活用して、社員の強みや課題を客観的に捉えます。こうした現状把握のプロセスを通じて、研修ロードマップ策定における具体的な目標設定や優先順位付けが徐々に明らかになっていくはずです。

 

研修プログラムの設計

現状把握が終わったら、次は研修プログラムの設計を進めましょう。研修プログラムは組織目標の達成と社員個々人の成果を最大化する根幹を成すものです。以下に、効果的な研修を設計するためのポイントを4つご紹介します。

① 目標に基づいた研修内容の選定:

目標設定で明確にした成果を達成するために必要なスキルや知識を特定しましょう。社員が目標に向かって成長できるようなトピックやテーマを選定し、それに基づいて研修の内容を構築します。具体的なスキルトレーニングや知識の獲得、実践的なケーススタディ、シミュレーションの活用など、多様な教育手法を組み合わせることで効果的な研修プログラムを実現できます。また、特定したスキルや能力を最終的に習得できる時期を設定しておくと、次の学習形式とタイミングを決める際の要素となります。

② 学習の形式とタイミングの設定:

研修の形式やタイミングを適切に設定することも重要です。社員の業務スケジュールや負荷を考慮しながらタイミングを決定し、効果的な学習の形式を選択します。オンライン学習やワークショップ、グループディスカッション、社外交流など、異なるアプローチを組み合わせることで、学習効果を最大限に引き出すことができます。

③ 研修コンテンツの作成:

研修コンテンツは、社員が学習を進めるための重要なツールです。ケーススタディ、ワークシート、動画など、学習をサポートするコンテンツを適切に作成しましょう。分かりやすく、参加者が自己学習や復習を行いやすい形式で提供することも重要です。

④ 持続的な学習と成果の追跡:

研修プログラムは人材育成におけるファーストステップです。持続的な学習と成果の追跡を行うことで、社員の成長を支援し続けることができます。学習の継続を促すために、フォローアップやコーチング、現場でのOJTなど多様な手段を活用しましょう。

 

研修計画の策定

研修プログラムが一通りそろった段階で、実際にどのように研修を受講させていくのが良いかを検討していきます。一般的には新人・若手・中堅・管理職・役員など階層別でそれぞれに最適なプログラムを配置します。

若年層には業務遂行に必要なテクニカルスキル、中堅層には組織を円滑・効果的に運営していくためのヒューマンスキル、そして役員層には経営方針や戦略策定といったコンセプチュアルスキル(概念化能力)を意識して組み立てていくと良いでしょう。

なお、研修プログラムの検討と同様に、研修ロードマップにもマイルストーン、いわゆる中間目標があることが重要です。たとえば新人1年目の終わりに在るべき姿や身につけておくべき姿勢、スキルなどを明文化しておくようにします。

マイルストーンがあると研修効果を把握したいときに役立ちます。研修の効果を測定し、定量的・定性的な観点で追っていけるように指標を作っておきましょう。それが社員の継続的な学習と成長のサイクルを確立させていきます。

 

まとめ

研修ロードマップは、組織の戦略的目標と社員の能力開発を結びつけるための重要なツールです。会社全体のスキルや知識の向上により、生産性や効率性の向上、問題解決能力の強化などが期待できます。さらには、社員のスキルや能力の成長を支援することで、働きやすさと満足度の向上、自己成長の機会やキャリアパスの明確化を実現します。これは社員のモチベーションやエンゲージメントを高めることにもつながります。

本コラムが研修ロードマップ作成の一助になれば幸いです。

  • コーチング・ファシリテーション
  • チームビルディング
  • コミュニケーション
  • ロジカルシンキング・課題解決
  • 営業・接客・CS

年間200冊の読書量に裏打ちされた豊富な知識で、お客様の課題を解決に導く

2017年より株式会社ヒップスターゲートに参画。前職での人事経験を活かしてお客様への提案活動に邁進。現在は営業部門責任者として、オンライン研修の営業、社内勉強会の普及、後進育成に心血を注いでいる。

遠藤 孝幸(エンドウ タカユキ) 株式会社ヒップスターゲート セールスマネジャー

遠藤 孝幸
対応エリア 全国
所在地 渋谷区

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