ストレングスファインダーをチームビルディングに活かす その8
「相手の言動が気になったとき、不快に感じることをどう伝えればいいのか…?」
そんなときこそ「アサーティブな伝え方」が役に立ちます。ポイントは 客観的な事実と自分の感情を分けて伝えること です。
感情だけで伝えるとどうなる?
まず、感情のまま伝えると、相手を否定してしまう言い方になりがちです。
たとえば、会議で次のような場面があったとします。
あなたの状況:「調和性」が高い自分は、目の前の議論を現実的に進めたいと思っている。
相手の状況:「着想」が高いメンバーが、議論の途中で新しいアイディアをポンッと発言する。
このとき、思わずこう言ってしまったとします:
「もー、ちゃんと考えてよ!!(-_-#)」
しかし、これは 「相手が考えていない」と決めつけた言い方 です。
「着想」を持つ人にとっては、その場で思いついたことを発言するのは「考えているからこそ」なので、否定されたように感じてしまいます。
客観的事実と感情を分けて伝える
では、どうすればいいのでしょうか?
アサーティブに伝えるには、 相手が否定しようのない客観的な事実 をベースにし、その上で「自分の感情」を主観として伝えます。
例えば、このように言い換えることができます:
「今の時間は、アイディアを出す時間ではなくて具体的なやり方を検討する時間なので、それと直接関係しない発言があると混乱してモヤモヤします。」
この伝え方では、以下のポイントが押さえられています:
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事実:「今は具体的なやり方を話し合う時間」
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自分の感情:「混乱してモヤモヤする」
どうして欲しいのかを具体的に伝える
さらに、自分の気持ちを伝えた上で「どうして欲しいのか」も具体的に伝えると、相手は受け入れやすくなります。
例えば:
「いろいろとアイディアが湧いてくるのが◯◯さんの良さだと思うのですが、この場ではその思いつきで発言されると議論が少し発散してしまうので、控えてもらえると助かります。」
この伝え方のポイント:
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相手を否定しない:「◯◯さんの良さだと思う」と、相手の強みを認める。
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具体的な要求:「控えてもらえると助かる」と伝える。
伝え方ひとつで関係性が変わる
もちろん、相手がこの要求を受け入れてくれるかどうかは別の話です。
でも、少なくとも「相手の行為を悪意と決めつける言い方」よりは、はるかに伝わりやすくなります。
なぜなら、相手も「自分の価値観や行動が尊重されている」と感じられるからです。
まとめ
アサーティブに伝えるためのポイントは次の3つです:
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事実と感情を切り離す:「〇〇だからモヤモヤする」と伝える。
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相手を否定しない:相手の良さや強みを認める。
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具体的なお願いを伝える:「控えてもらえると助かる」など具体的な行動を提案する。
次回は、アサーティブな表現をする上で ストレングスファインダー®がどのように役立つのか についてお話しします。
- キャリア開発
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ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン
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