人と人との違いを認識する~効き脳とは?
先日ある会社の部長さんからこんな話を聞きました。
ずっと勤怠管理を真面目にやっていなかった社員が面談後1か月以上毎日勤怠管理を継続できている、
というのです。
勤怠管理を継続することはあたり前のこと、とおっしゃる方もいるでしょう。
でも、
締め日ギリギリになるまでやらない
お尻を叩かないとやらない、という方がメンバー中に一人いて
そのメンバーのためにご自分の仕事が進まない
という方が少なからずいらっしゃるように思います。
この会社では実施していないのですが
以前相談を受けた時に「効き脳」のことをお伝えしました。
それを受けて面談の時に今までと違うやり方でアプローチしたことが継続につながっているようです!
そのアプローチとは???
「効き脳」を活用した説明です。
事実は同じでも 受け止め方が違うことによって、その後の行動や進みが全く違ったものになります。
その受け止め方の違いがなぜ起こるのかは、思考の特性によるものであり、
それが、今日の本題である「効き脳」の話です。
右利き、左利きと 利き手があるように
脳にもその人が無意識に反応する ”利き”がある・・・
それが「効き脳」です。
その脳の反応をレーダーチャートで見える化したものが「効き脳診断」です。
そのベースは、ハーマンモデル理論によるもので米国ゼネラル・エレクトリック社の能力開発部門の責任者であったネッド・ハーマン氏が大脳生理学を基礎に1977年に基本モデルを開発。全世界で200万人以上が実施し、高い有効性が実証されています。
弊社のコンサルタントはこの「効き脳」を働き方改革のコンサルティングの中で活用しています。
*効き脳診断は、 (株)フォルティナが提供するサービスです。
脳は左右に2つ
外側/内側に2つ
にわかれています。
右脳/左脳という言葉は聞いたことがある方も多いでしょう。
外側/内側というもう1つの概念があるのです。
その4つの組み合わせをA、B、C、Dのアルファベットで表現しています。
それぞれにどのような特性があるのかを一言で説明すると
Aが効き脳の人は、理屈っぽいです。
Bが効き脳の人は、保守的です。
Cが効き脳の人は、周りの状況・反応に敏感で
Dが効き脳の人は、全体で考える、アイデアマン
といった具合です。
実際にどんな違いが出るのか?
例えば会社として新規事業を立ち上げることになったとします。
Aの論理・理性的脳の人は、その事業 採算は取れるのか? と考えます。
Bの計画・堅実的脳の人は、期日通りに 新規事業が立ち上がるのか? を考えます。
Cの感覚・友好的脳の人は、誰が部門を率いるのか?メンバーは誰か?みんなは賛成しているのか?を考えます。
Dの冒険・創造的脳の人は、どんな事業が良いか?そのアイデアに想いを馳せます。
目指す地点は同じですが、新規事業の立ち上げという事実から どんな思考が真っ先に来るかによってその後の発言や行動が変わります。
経営者として、あるいは責任者として 新規事業をうまく進めるとしたら
Aの人には、採算がとれる事業であること を伝え
Bの人には、綿密な計画が立てられていること を伝え
Cの人には、他のメンバーも賛同してくれていること を伝え
Dの人には、ワクワクする事業アイデア を伝える。
そうすることで、みんなの力が新規事業立ち上げに集約されます。
冒頭でお伝えした勤怠管理をしてもらいたい部長さんはDの発想でその必要性を何度も伝えたそうです。
それでも、その社員の方はその場では「やります」と言うのに行動が伴っていなかった。
そんな時「効き脳」の話を思い出し、試しに ひとつひとつの工程を細かく確認したそうです。
まず朝出社したらPCを立ち上げる
↓
まっさきに勤怠管理のシステムを立ち上げる
・
・
・
といった具合です。
そこまでやるの? と感じる方もいるかもしれませんが
今までのやり方で結果が出ないのであれば、そのやり方を続ける意味がわかりません。
早い段階でそこに見切りをつけ、可能性のあるやり方に変えてみる!というのは大切なことです。
このメンバーの効き脳診断をした訳ではないので、実際のところはわかりませんが、これでやれているということは、おそらくBが強い人であると考えることができます。
実際にこの効き脳はどの数値がが高いと良い、どこが低い方悪い、というものではありません。
効き脳診断の結果に 優れている/劣っている 正しい/誤っている 良い/悪い はないのです。
効き脳が表現される数値はどんな人でも合計で200になります。これは誰でも同じです。
どこかが突出していればどこかが低く出ます。
また一度出た結果が、ずっと変わらない ということもありません。
思考の特性は、環境やトレーニングによって変化します。
実際に私も変わった人を見ています。
大事なのは
じぶんの特性を知って、それを活かす発想と行動です。
部下の特性をしって、それを活かす発想と行動です。
ただ知るだけではこの価値はそれほど大きなものにはなりません。宝のもちぐされ、です。
特に、複数の人が関わる組織においては、人との違いを知ることはとても重要です。違いがあることを前提に会話やものごとを進めていく必要があります。
そして「じぶんを知る」ことが、人との違いを知ることの第一歩です。
まさに前回の記事で触れた強みを活かす、視点です。
「強みを生かす」とうまくいく
私はこれが得意!と胸を張って手を上げられるし逆に苦手な所は胸を張って人に頼むことができます。
私は「効き脳」をその既成事実をつくる土台とも考えています。
全て一人でやれなくてもいいんです。
一人でやれるなら組織である必要はありません!
やれないことを認め、そこはそれが得意な人に任せる。
いい意味での”あきらめ”となり説得力を持って”わりきれる”のが効き脳診断の良い所です。
そしてそれは同時にあきらめないことにもなります。
この伝え方だから理解されない
それがわかるだけで別の方法を考えることになるからです。
組織の中で
・数字の話ばかりするのか
・他の人の意見を気にするのか
・あの人の言うことが理解できない
・じぶんの言っていることが伝わらない
そんなことが起こっていたら、まずはこの効き脳のことを思い出してみてください。
あ、自分とは違う! ”効き”なのかもしれない
そう感じるだけで相手に対する対応が変わると思いませんか。
そしてこれが、メンバーの違いを活かすマネジメント そのものなのです。
- モチベーション・組織活性化
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- ロジカルシンキング・課題解決
- 営業・接客・CS
大手企業を中心に人材育成・イノベーション開発の支援を行う。「人と組織の発酵を促す」をコンセプトに学びの設計、制度設計、アライアンス支援を行う
人材育成業界20年弱、1000名程の講師と会ってきた経験、多くの研修設計をしてきた経験から、人材育成目的ではなく、クライアントの課題解決視点での人材育成を行う。著書に「研修講師が企業・研修会社から”選ばれる力”」(同文館)がある
原 佳弘(ハラ ヨシヒロ) Brew株式会社 代表取締役 中小企業診断士/PDCFAインストラクター
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