TOEICテストPart7の活用法
社内の人事評価のためにTOEICを定期的に実施している企業は多いですね。TOEICスコアを参考に、今後の人事--特に海外事業の展開に思いを巡らせている人事担当者も多いでしょう。これからの自社の国際業務を担う社員の評価にTOEICは使うことは理にかなったことだと思います。
一方、英語研修担当者として、TOEICを受験すること自体の是非を受講者から耳にすることが多いと感じます。「現在も英語を使う業務を担当していないし、将来的にも海外業務どころか英語を使う機会があるとは思えない。」「毎年TOEICを受けなければならない理由が見当たらない。」等々、ぼやきにも似た声があちこちから聞こえて来ます。
指導を担当する立場から思うのは、TOEIC学習は、「目の前にあるほんの小さな情報から解答につながるヒントや糸口を探す」という、私たちが日ごろ業務で行っている問題解決の手法に共通することが多いように思います。この見落とされている付加価値をPart 7を例にして説明してみましょう。
ご存知の通り、TOEICは4つのリスニングパートと3つのリーディングパートに分かれていて、それぞれのパートごとに効果的な学習方法が研究されており、それぞれに十分な学習時間を必要とします。
その中でもPart7は、後半のリーディングパートの最後に残された長文読解のパートで、一番難しいといわれていて、TOEICで高得点を獲得するにはPart7の出来不出来が大きく影響するともいわれています。
前半のリスニングパートは、音声が聞き取れない限り解答のしようがない。それに引き換えリーディングパート、特にPart7は、問題文のどこかに正答が書いてあります。攻略のための戦略をもってあたれば、答えにたどり着く可能性が大いにあり、Part7は「課題解決能力」も問われています。
難しい仕事や初めての業務を任された時、何をどこからどんなふうに始めればいいのか途方にくれますが、マニュアルや先輩の指導のもと、ひとつひとつやり方を覚え、経験を積んで初めての仕事も何とかできるようになりますね。
初めてPart7の回答を目指す場合、単語力もなければ、読むスピードもまだまだ遅い。あれもできないこれもわからない、全くどこから始めたらいいのかも検討がつかない状況は、初めての任務を任された時の気持ちと同じだと思います。
多くのTOEIC攻略本には、さまざまなノウハウが紹介されています。例えば、『問題文を読んで、これからどんな種類の文書を読むのかを把握しなさい』と書いてあります。いきなり英文を読み始めるのは、大きさも・深さも調べずに泳いだことのないプールにいきなり飛び込むようなものです。
そのほかのPart7攻略法には、「英文は最初に書いてある文章が一番大切です。」ともあります。TOEICで扱う文書はビジネス文書なので、コスパ、タイパが命です。余計な前置きなど書いていませんから最初の文書で全体の内容を掴むことが必要です。ひとつふたつわからない単語があっても、わかる単語から想像力をめぐらすことこそが大切です。そもそもTOEIC600点を目指す受験生が、問題文のすべての単語がわかるはずもないのです。最終的にどうにもこうにも書いてある内容がピンとこない場合は、次の設問にエネルギーを温存すべきです。また、設問の選択肢を読んで、常識的に考えてもこの解答はあり得ないということがわかる場合もあります。4つの選択肢から1つ選択肢が減れば、正解率は25%上がったことになります。
最初から準備万端で与えられた業務にあたることなど人生で何度あるでしょうか?TOEICも同様、単語力・文法力すべて完璧などという状況は望むべくもありません。英語のエキスパートを目指すのではなく、目の前の課題=TOEICの目標点数のクリアが目的なのです。課題をクアするために考え得ることをすべてやりつくす能力が問われているのです。Part7のスコアが 社員の課題解決能力判定につながっていると思えませんか?
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